世界初、リサイクルが可能に
米・ダウ、セルフシーリングタイヤ向けシリコーンソリューションを発表
原材料 2022-10-27
米・ダウは、世界初となるリサイクルを可能にするセルフシーリングタイヤ向けシリコーンソリューションを発表した。
同技術は、ブリヂストンが新たに発表したリサイクル可能なタイヤシーラント技術「B-SEALS」に使用されている。
ダウでは、「SiLASTIC SST-2650」セルフシーリングシリコーンによって、高機能性およびサステナビリティを求めるタイヤメーカーの要求に応えるとともに、ドライバーや乗客に軽量で、安全性が高く、耐久性のあるセルフシーリングタイヤ向けのソリューションを提供する。
世界の自動車産業において、材料の循環利用や持続可能性への要求が高まる中、セルフシーリングタイヤは、自動車の軽量化を可能にする新しいソリューションになりつつある。新しいシリコーンシーラント技術は、タイヤの内面にセルフシール層を形成するように設計されおり、パンクしても優れたシール性能を発揮し、タイヤの空気圧を低下させることなく長距離走行が可能になる。
従来のセルフシーリングタイヤシーラントは、タイヤとしてのリサイクルが不可能で、また、複雑な高温塗布プロセスや塗布前にタイヤ表面に大規模なレーザー洗浄を施す必要があることから、生産時のエネルギー消費と環境負荷の増大に繋がるなど、サステナビリティの観点から課題があった。
シリコーン技術のグローバルリーダーであるダウは、材料に関する専門知識を活用して、乗客に軽量性、安全性、耐久性を提供する「SiLASTIC」セルフシーリングシリコーンを開発した。
タイヤの耐用年数の終了後、「SiLASTIC」セルフシーリングシリコーンシーラントはタイヤから分離できるため、タイヤとシリコーンそれぞれをリサイクルすることが可能。一方、スペアタイヤが不要になるため、車両の重量を減らし、航続距離と燃費を向上させ、より自由な設計を可能となることから、よりサステナブルなモビリティ業界の構築を支援する。
また、シリコーン材料の独自の利点を生かし、シリコーンシーラントの薄い層だけでパンク時の穴を修復し、長期安定性、気密性を実現。ダウ独自の材料技術により、シーラントの加工性が向上し、サイクルタイムの短縮と加工コストの削減が可能になる。
プレ洗浄やプレコンパウンドを行わず、室温状態で標準的な装置を用いて、「SiLASTIC」セルフシーリングシリコーンシーラントを使用したタイヤの簡単かつ迅速な製造を実現する。
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