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eAxleの小型化・軽量化で自動車の電動化に貢献

光洋シーリングテクノ、幅短縮デフサイドシールを開発

工業用品 2022-10-27

 ジェイテクトのグループ会社である光洋シーリングテクノは、今後のBEV(電気自動車)の市場拡大を見据え、eAxleの小型化に寄与する幅短縮デフサイドシール「JTEKT Ultra Compact Seal」(JUCS)を開発した。年間約5億円の売り上げを目標にしている。

 デフサイドシールとは、デファレンシャル(デフ:自動車の旋回時など走行中に発生する左右輪間の回転差を吸収しつつ、両輪と駆動源をつなぎ、トルク伝達を行う差動装置)とドライブシャフトの連結部に装着するオイルシール。内部からのオイル漏れや外部からの異物混入を防ぐ働きがある。

 自動車の電動化が進む中、インバータ、モーター、デフを含む減速機を一体化させたeAxleと呼ばれる電動駆動システムの開発・採用が急激に拡大しており、より良いBEV実現のためにはその駆動源の心臓部であるeAxleの小型化・高出力密度化が求められている。

 ジェイテクトグループでは、eAxleへの搭載を考慮し、ゴム材の開発ならびにリップ設計の見直しを行うことで、デフサイドシールの幅寸法短縮を実現した。

 ■JUCSの特徴
 ①シール性能(低温時における偏心追随性)を維持したままユニット長を短縮可能
 零下などの低温時はデフサイドシールのゴムが固くなり、軸の偏心に対するシールリップの追随能力が低下し、eAxleからのオイル漏れが発生しやすくなる。そこで低温性を従来比1.2倍に向上させたゴム材を開発し、加えて緊迫力構成比率(ゴム:ばね)の最適化により、低温時における偏心追随性を向上。従来と同等の偏心追随性を確保しながら、シール内周部のリップ長さを20%短縮することが可能となった。また、シール外周部は、金属環とハウジングを接触させる構造とし、幅寸法短縮により低下するシールの保持力を維持している。

 ②デフサイドシール左右合わせて約4ミリのeAxle幅寸法短縮を実現
 デフサイドシールで主に使用されるサイズ(外径50~80ミリ、幅9~12ミリ)において、シール幅を約2ミリ、左右合わせて約4ミリ短縮することが可能となり、eAxleのユニット長の短縮に貢献する。

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