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5G、EV化の需要増に対応

デンカ 、大牟田工場の高機能球状フィラー製造設備を増強

原材料 2021-10-14

 デンカは大牟田工場(福岡県大牟田市)において、次世代の高機能球状フィラー製造設備の増強を決定した。半導体を含む高速・大容量データ通信(5G)・自動車の電動化(xEV)における高信頼製品の需要増を見込み、球状シリカや球状アルミナ、球状マグネシアの高機能グレードの製造設備を新設し、スペシャリティー事業を強化する。投資金額は50億円を見込む。

高機能球状フィラーの開発・製造を担う大牟田工場



 同社は1915年の創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御などの基盤技術を元に、様々な機能性セラミックスを製造している。球状シリカは低熱膨張性を活かし、半導体封止材料や半導体パッケージ基板などに、球状アルミナは高熱伝導性を活かし、車載、通信など多岐にわたる放熱材料として広く使用され、市場で高く評価されている。

 今回の戦略投資で、これらの基板技術の高機能化を推進する。5Gの伝送損失低減に対応する低誘電正接シリカ、微細化する先端半導体に適応した球状シリカ、深刻化する電子機器の熱対策を球状アルミナとともに強力にサポートする球状マグネシアなど、中長期的な高機能フィラーの需要に対応する。高度なフィラー制御技術を集約し、設備を増強することで、当該高機能分野でのディファクトスタンダード化を進める。また、Beyond5G(6G)やxEVなどのさらなる進化に伴うニーズにもスピード対応できるよう、当該設備を活用していく。

 なお、同社は経営計画において、5G・xEVを中心とした環境・エネルギー分野を重点分野のひとつと位置けており、同分野での2022年度の営業利益220億円を目指している。

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