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天然ゴムの高生産性確保へ

ブリヂストン、「パラゴムノキ」植林計画適化システムを開発

原材料 2021-01-14

 ブリヂストンは1月12日、ビッグデータを活用し、高収量のゴム農園の実現に貢献する「パラゴムノキ」の植林計画最適化システムを開発したと発表した。

 同システムは、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所の学術指導を経て、ブリヂストンのゴム農園管理に関する知見に基づき、土壌や病害予防といった複雑な制約を数理モデル化するとともに、収量や面積といったパラゴムノキの農園から得られた膨大なデータに混合整数計画法を適用することで開発されたもの。

植林計画最適化システムのイメージ


 同システムの活用により、持続的に天然ゴムの高い生産性を確保するために、「いつ」「どの品種を」「どの程度の量で」「どこに」植林すれば良いかという情報の提供が可能になり、植林や収穫の工数など様々な制約のある広大な農地に複数の品種を植林するゴム農園において、30年以上先までの植林計画の最適化に貢献することができる。

 同社では今後、実用面での課題抽出を経て、将来的に自社農園および他の農園に展開することを検討し、世界の天然ゴム生産の持続可能な安定供給に繋げていきたい考え。

 天然ゴムは現在、「パラゴムノキ」から生産されており、産地が東南アジアに集中していることから、病害リスクや栽培面積の拡大に伴う熱帯雨林の減少が課題となっている。同社ではこれを解決するため、天然ゴム資源の拡充に向けた取り組みの一環として、パラゴムノキ由来の天然ゴムの生産性向上に向けた研究開発を実施。天然ゴム資源の安定供給に貢献する技術を通じて、将来に向けた環境負荷低減と持続可能な事業の両立に取り組んでいる。

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