【社長インタビュー】
イナバゴム社長岡本吉久氏、省力化・自動化により空圧機器向けが好調
工業用品 2017-10-16
■18年9月期業績計画
売上高は前期比微減の計画だ。空圧機器、自動車とも今期並みと予想しているが、スマホ関連の需要見通しが来春でないとわからないので、少し厳しい計画を立てている。
■自動車事業の見通し
自動車はハイブリッド車(HV車)、電気自動車(EV車)が台頭する以前から、サイドミラーやパワーウィンドウなど電動化が進んでいた。それに伴い、当社の自動車部品事業も拡大してきた。HV化やEV化が進めば、パッキンやオイルシールの売り上げは減少するが、一方でスイッチやセンサー類の販売はさらに拡大するだろう。当社としては、HV・EV化の進展は、商機拡大につながると期待している。
■経営課題
人手不足が深刻だ。人手が確保できないので、工場の省力化・自動化をさらに進めていく。鳥取工場は、以前は人手を確保しやすかったが、県が企業誘致に積極的で工場が増えたため、以前のように人手を集めることが難しくなった。大阪工場も東京工場も大都市が近く、働く場所が多いので、人手確保が困難だ。
■期待する新規事業
医療関連で新規事業の立ち上げを進めている。鳥取県から補助金を受け、鳥取大学医学部と共同で内視鏡検査用マウスピースの開発に取り組んでいる。内視鏡検査ではカメラを口から挿入するが、その際に使用する固定具は前歯と唇でくわえるというものがほとんどだ。これでは挿入時に吐き気を催してしまい、検査を受ける患者さんの負担になっている。この固定具をマウスピースのようにすると吐き気が抑えられ、検査が楽になるというので、今回、産官学が連携して開発に取り組んだ。内視鏡検査用マウスピースは、今年4月に完成した。年内か来年早々にも発売したいと考えている。医療関連分野に参入するため、当社では医療機器の国際規格であるISO13485の認証を取得した。また医療機器製造販売業の許可証も取得した。11月に東京ビッグサイトで開催される「新価値創造展2017」にも、鳥取県のブース内に出展しピーアールする予定だ。医療関連は今後拡大が見込まれる市場なので、積極的に事業展開していきたいと考えている。
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