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【社長インタビュー】

イナバゴム社長岡本吉久氏、省力化・自動化により空圧機器向けが好調

工業用品 2017-10-16


 パッキンやOリングを主力とする精密ゴム部品専業メーカーのイナバゴム。同社の岡本吉久(おかもと・よしひろ)社長に、今期の業績見込みや今後の経営課題・経営方針について聞いた。

 ■会社概要
 当社はパッキンやOリングをオーダーメイドで受注し、金型から材料設計までを含めて一貫生産している。主な需要先は空圧機器や自動車の車載関連、住宅設備の水回り、エレクトロニクス、医療・ヘルスケアなどだ。製造拠点は鳥取工場、大阪工場、東京工場(埼玉県八潮市)の3カ所で、鳥取がマザー工場になる。大阪に本社があり、東京に支店、北九州と鳥取に営業所がある。需要先は東京は空圧が最も多く、大阪と鳥取は自動車、北九州は住宅の水回り関連製品がメインになる。海外は中国に2カ所生産拠点があり、北部は廊坊(ランファン)に、南部は東莞に工場がある。廊坊工場は空圧機器向けガスケットを生産しており、現地に進出している日系メーカーに供給し、日本にも輸出している。東莞は自動車やスマートフォン関連の部品を製造している。香港とタイには営業所がある。

 ■17年9月期業績
 売上高は6%増、営業利益は2-3割増の見込み。今期は空圧機器が好調で20%強増収する見込みだ。人手不足で工場設備の省力化・自動化が積極的に進められているため、空圧機器向け需要が旺盛だった。人手不足による省力化・自動化の流れは、ここ数年続いており、今後も継続すると予想している。そこで製造機械や産業用ロボットなどの業界も活況を呈するだろう。それに伴い、空圧機器向け需要も堅調に推移すると見ている。

 今期は自動車向けも好調だった。自動車関連は10年ほど前までは、売上高の10%を占めるほどだったが、年々販売が増加し、現在は車載関連が24%を占めるまでになっている。自動車では、スイッチのゴムキャップやセンサー用防水ゴムなどの受注が伸びている。一方で、トランスミッションのパッキンやオイルシールなどエンジン回りのゴム部品は横ばいだ。

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