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東洋ゴム工業の化工品事業買収は事業拡大の可能性見出す

【インタビュー】ニッタ社長新田元庸氏、通期の売上高、営業益は過去最高見込む

工業用品 2017-08-28


 ■東洋ゴム工業の化工品事業買収について
 今は東洋ゴム工業が主体となって、顧客に当社の考え方や方針など説明してもらっており、事業の継続性や技術の引き継ぎという面から顧客には安心したと言われる。

 買収の話は、昨秋に東洋ゴム工業側からあった。品質体制や現場作業の確認をさせてもらったが、現場では品質の重要性に取り組んでいる印象を持った。顧客に迷惑をかけないように進めていきたいと考えている。

 当社は長年ゴム事業に携わっているが、東洋ゴム工業の化工品事業は面白い技術を持っている。買収した中では、鉄道車両用製品やエネルギー関連製品といった高機能製品の成長に期待している。国内だけではなく海外を含め、成長の余地がある。防水材や遮水シートといったインフラ関連も安定的なビジネスだろう。いずれにしても、さらなる製品開発を進め、事業拡大の可能性を全体に見出していきたいと思う。

 人材については、事業継続をベースに東洋ゴム工業側にお願いしている。今回の買収で、多くの従業員がニッタグループの一員となるが、当社はゲイツ・ユニッタ・アジアやニッタ・ハースといった合弁会社を運営しており、異文化への抵抗はないと思っている。

 東洋ゴム工業の化工品事業は、子会社として運営していく。従業員の気持ちの部分も含め、まずはどのように伸ばしていくのかを考えることが先決だ。ニッタグループのものづくりへの文化、考え方を話しながら進めていきたい。

 買収金額(37億円)が高かったのか、安かったのかはこれから分かるだろう。

 ■中長期経営計画「V2020」
 今年はフェーズ3の目標等を構築する年だ。これから具体的に検討していく。当初掲げていた売上高800億円は上振れるだろうが、現状ではこれまでをベースに、当初計画で進めていく考えだ。ここに東洋ゴム工業の化工品事業と浪華ゴム工業を含めてどのようになるかだろう。

 コネクト社、浪華ゴム工業、東洋ゴム工業の化工品事業の買収はチャレンジだ。社員としても、会社が新しいことに取り組んでいるということを感じて欲しいと思っている。

 ■欧州のEV(電気自動車)化の動きについて
 先進国を中心にEV化という大きな流れはあるだろうが、新興国はインフラを含めまだまだ難しいと思う。

 内燃機関については、これを発電機として使用したり、また新たな内燃機関が出てきたりと、様々な動きがある。発電機として使用された場合は、当社グループにとっては油中タイミングベルトが使われる機会になる。

 今後、自動車がどのように変化していくにしても、当社としては製品力を向上し、事業領域を拡げていくことで対応していく考えだ。

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