岡安ゴム、キッチンマット「ふく楽マット」

　岡安ゴムが生産・販売する洗濯いらずのキッチンマット「ふく楽マット」が、第29回中小企業優秀新技術・新製品賞（りそな中小企業振興財団、日刊工業新聞社主催）で、奨励賞を受賞した。

　ふく楽マットは、洗濯が面倒、使用中にずれる、衛生面が気になる、底冷えがするといった課題を解消したキッチンマット。同社は、連続押出成形による長尺・幅広・両面被覆のスポンジシートの量産化に業界で初めて成功しており、その技術を応用した。

　表裏両面とも表面被覆構造となっているため、水がしみこむことなく、汚れも拭いたり水で流したりするだけで除去でき、洗濯の必要がない。銀の抗菌剤に加え、素材には抗菌性能の高いエチレンプロピレンゴム（EPDM）を使用しており、衛生面にも配慮されている。

　また表面には約2ミリ、裏面には約0.5ミリの溝加工が施されており、溝ピッチや深さを変えることで、製品を軽量化しながら底付き感のない、高いクッション性を持たせた。疲労軽減やずれによるスリップ防止に加え、断熱性能もあるほか、溝が浅いためゴミが入り込むことはなく、仮に入っても取り除くことは容易だ。機能性の高さから、キッチンだけでなく洗面、脱衣所、トイレ、ペットマットなどに利用が進んでいる。

　販売の中心は、アマゾンや楽天、ヤフーショッピングなどのネット販売。アマゾンでは、キッチンマット部門の売り上げランキングで、2016年6月に1位となるなど、一般消費者の支持を得ている。2015年4月の販売開始以降のシリーズ累計本数（2017年3月末時点）は1万3,000本を超える。

　岡安ゴムでは今後、業務用での市場開拓も積極化する方針。店舗のみならず工場、作業場などでの活用も視野に入れている。