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エンビプロ・HDが実施

日東化工 、株式公開買付けへの賛同表明

工業用品 2023-02-13

 日東化工は2月10日開催の取締役会で、エンビプロ・ホールディングス(静岡県富士宮市、佐野富和代表取締役社長)による同社の普通株式に対する公開買付けに関して、賛同する旨の意見を表明。また、同社の株主に対し、同公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行った。

 同公開買付けは、日東化工をエンビプロ・ホールディングスの完全子会社とすることを企図していること、並びに日東化工株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたもの。日東化工は同取締役会決議で、公開買付けが成立し株式が上場廃止になった場合に、2022年4月27日付で公表した「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書(更新)」を撤回することを決議している。なお、買付等の価格は、普通株式1株につき490円。

 公開買付者となるエンビプロ・ホールディングスは2010年5月21日の設立で、資本金は15億2,400万円。日東化工とは、連結子会社の東洋ゴムチップとの間で日東化工のゴムマット製品の販売およびカラーチップ等の仕入れに関する取引を行っている。

 一方、日東化工グループは、1949年の設立当初からゴム製品を、1981年からは樹脂製品を手掛け、長年にわたり両分野で素材製品を製造。セグメント別では、コンパウンド事業はゴム・樹脂両コンパウンドおよび樹脂洗浄剤を、ゴム加工事業ではシート、マット、成形品を製造し、パッキング・クッション材・敷物等として、自動車・化学・土木建設をはじめ各種産業分野に提供してきた。

 ただ、コンパウンド事業におけるコロナ禍に伴う大口受託の減少や原材料価格の高騰、ゴム加工事業における一部製品分野での厳しい業界内競争等が続くなか、主要株主である大阪ソーダとの当初想定していた様なシナジーは実現できていない。今後の実現可能性を踏まえると、大阪ソーダからのこれ以上の支援を受けることが不透明であることに加え、事業拡大や合理化・自動化のための大規模な設備投資といった中長期視点における事業構造転換を図るための経営資源の先行投入ができないことを課題と認識しており、その様な状況下での協議・検討の結果、今回の対応が必要であると考えた。

 エンビプロ・ホールディングスは、日東化工を完全子会社化することで、①日東化工グループのノウハウがエンビプロ・ホールディングスグループにおけるゴム製品の競争力向上に資すると考えられる②エンビプロ・ホールディングスフループにおける廃ゴムのリサイクル技術を応用することで、日東化工グループのゴム製品群の環境価値向上と原価低減の実現が期待できる③両社のゴム事業に係る開発技術、生産、販売を含む分野で相乗効果が期待できる④相乗効果を早期に実現することが、両社の企業価値の持続的な向上に資する最良の施策となる――などの考えから、同公開買付けを実施する。

 同公開買付けの実施にあたり、既に日東化工の主要株主の大阪ソーダとの間で、応募合意株式の全てを本公開買付に応募する旨の公開買付応募契約書を2023年2月10日付で締結した。なお、同日時点では日東化工の株式は取得していないとしている。

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