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ゴム業界の廃棄物削減に貢献

日東化工、再生ゴムマットの新たな生産スキーム実証を開始

工業用品 2025-06-05

 日東化工は、使用済みタイヤを原料とする再生マット2種の並行生産スキームを新規開発する実証事業を開始した。将来的には2種の再生マット(テクスチャーマット、ソリッドマット)の安定製造と販売により資源循環市場の創出を目指す。


 日本国内では年間約100万トンの廃タイヤが発生している。その66%はCO2排出を伴う燃料として熱回収され、よりCO2排出量の少ないマテリアルリサイクルでのリサイクル率は15%ほどに留まる。その理由の1つが、マテリアルリサイクル製品の競争力不足だ。


 そこで、同実証では、使用済みタイヤを含むゴム廃材を原料に、耐摩耗性、耐スリップ性、耐水性に優れた2種の足場用再生ゴムマットを同一行程で並行製造。これにより、新たな資源循環市場を創出し、人件費削減、生産性向上、価格競争力向上を図り、販売価格を従来のマット製品の約3分の2に抑える見込み。2031年には年間1,500トン以上の使用済みタイヤ・工程廃材を原料に、テクスチャーマットを4万枚以上、ソリッドマットを8,500枚以上生産する計画。これにより年間2,607トンのCO2排出を抑制できるとしている。

 通常、工程廃材は排出事業者が処分費を払って廃棄処分する。同実証では、同社がタイヤメーカーなどの排出事業者から工程廃材を買い取り、ソリッドマットへマテリアルリサイクルする。これにより、ゴム業界全体の廃棄物削減に貢献する。また、ソリッドマットの製造工程で排出される工程廃材もテクスチャーマットへ再利用し、同実証の製造工程で発生する廃棄物は投入材料の重量比5%以下、埋め立てゼロに抑える計画。

 同実証は2025年3月にスタート。湘南工場に設置する新規ラインは2026年9月に稼働を開始する予定。

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