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世界初の技術である動圧作用や外周面しゅう動により実現

NOKが回転用低トルクシールリングを開発

工業用品 2017-03-22

TS-Ring


CT-Ring


 NOKは3月21日、ATやCVTといった自動変速機に使用される回転用低トルクシールリング「TS-Ring」、「CT-Ring」の2種類を開発したと発表した。それぞれ動圧作用や外周面しゅう動により低トルク化を実現しており、これら技術は世界初。自動車では燃費向上のため、回転用シールリングに対する低トルク化のニーズが高まっており、同社では両製品での受注拡大を目指していく考え。

 TS-Ringは、しゅう動面にシール媒体の油を供給する形状であるテクスチャーを付与し、相手面の粗さを管理することで、流体潤滑域でのしゅう動を実現したもの。流体(油膜)が相手しゅう動との間に形成されることで動圧が発生し、摩擦係数が大幅に低減する。摩擦係数の低減により、従来品対比で最大80%の低トルク化を実現。また油膜により、相手面との直接接触が低減するため、耐久性も向上している。

 一方のCT-Ringは、一般的には側面であるしゅう動面を外周面に変更することで、受圧面積を低減したもの。断面形状を凸字断面とすることで、はみ出し隙間の大小に左右されることなく押し付け荷重を低減することができる。これにより、従来品対比で最大70%の低トルク化を実現。しゅう動面を外周面に変更したことで、従来品に比べ横方向のスペースを縮小できるようにもなり、シールリングを使用するATやCVTのレイアウト設計の自由度も向上する。また、溝側面としゅう動しないため、軟質軸への適用も期待される。

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