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原材料価格・運送費の上昇受け

主要ゴムシートメーカーの値上げ出揃う

工業用品 2021-08-16

 ゴムシートメーカーに値上げの動きが広がっている。十川ゴムの発表を皮切りに、タイガースポリマー、入間川ゴム、オーサカゴム、日東化工と続き、8月2日のマクセルクレハの発表で、主なゴムシートメーカーの値上げが出揃った。

 対象となるのは、ゴムシート製品を含む取り扱い製品全般とする企業がほとんど。主な値上げ幅は現行価格から10~20%で、タイガースポリマーと日東化工の2社は20%以上(日東化工はシートのみ)としている。

 主な理由は、昨年末頃から続く原材料価格の高騰だ。シリコーンゴムやフッ素ゴムなどをはじめ、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴムなど、特殊品・汎用品を問わず製品全般の価格が上昇している。加えて、物流業界の人手不足に伴う運送費の上昇が続いている状況から、各社ともに「自助努力だけではコスト上昇分を吸収するのは難しい。安定供給を維持するためにも、価格の見直しをお願いすることにした」としている。

 一方、足元の課題となっているのが、原材料の確保だ。原材料メーカーからの価格上昇分を受け入れても、供給の確保が難しいタイトな状況が続いている。長期的には代替品の検証を含め新たな入手ルートを確保するなど、顧客の注文分を満たす分量をいかに確保していくかがポイントになる。

 需給タイトの状況はゴムだけでなく、あらゆる業界・品種に及んでいることから、今回の値上げの浸透については「顧客からの理解は得られている」(ゴムシートメーカー)ようだ。

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