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地震被害で稼働停止の工場が相次ぐ

熊本地震、ゴム産業にも打撃

工業用品 2016-04-25

 4月14日午後9時26分に発生した前震以降、熊本県を中心に相次いでいる地震の影響で、熊本、大分両県にあるゴム関連企業にも大きな影響が出た。ブリヂストンやNOKの熊本県にある製造拠点が稼働停止となり、地元企業のつちやゴムが被災するなど被害が広がっている。こうした直接的な影響のほか、自動車メーカーの操業停止による間接的な影響も出始めており、今後の被害拡大が懸念される。
 
 

熊本工場の操業を再開

 ■ブリヂストン
 ゴムクローラや高圧ホース、工業用ホースの製造拠点である熊本工場(玉名市)は、14日夜の地震発生以降、操業を停止していたが施設の点検・補修および安全確認を終え、21日に操業を再開し、地震発生以前の生産体制に復旧した。

 熊本工場は、建屋に大きな影響は出なかったが、度重なる余震で外壁の一部に剥落などが生じた。生産設備に関しても機械の倒壊などはなく、特に影響は見られなかったという。

 熊本工場は1971年に操業を開始。敷地面積は14万2000平米。生産量は月産2053トン。従業員数は516人(正社員・契約社員合計・15年12月末時点)

 タイヤの製造拠点である久留米工場は、16日未明の本震のあと、一時操業をストップしていたが、16日午前中には再稼働した。

 ■NOK
 NOKは4月18日、熊本地震の同社への影響を発表した。

 自動車や建設機械などに使用されるOリングを生産している熊本地区の工場が、電力等のインフラおよび周辺道路の寸断により稼働を停止した。14日夜に発生した前震では、特に影響を受けず稼働していたが、16日未明の本震以降、生産がストップしている。

 工場建屋には影響はなく、生産設備も一部にズレなどが生じている程度で、特に影響は見られないという。

 従業員は約500人で、18日時点で全員の安否確認が取れている。

 現在は、同社危機管理室を中心に工場の設備の点検等や被害状況の確認をしており、今後の状況等については詳細が判明次第、公表するとしている。

 ■イノアック
 イノアックコーポレーションの関連会社で菊池市に工場のある九州イノアックは、建屋・製造設備にも影響はなく通常操業を行っている。従業員の安全も確認済み。同工場では自動車部品等を製造している。

 ■つちやゴム
 上益城郡に本社工場があるつちやゴムは、工場建屋が一部損壊し操業を停止している。工場内は設備が散乱している状況という。本社工場では子供靴を製造している。本社建屋は被害なし。

 八代市にある自動車部品やゴム工業用品の工場は、建屋に被害はなく操業している。しかしボイラーの給水設備の損傷により、一部製品が製造できない状況という。

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