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【新年インタビュー】丸五ゴム工業藤木達夫社長

タイ新工場、今秋から量産スタート

工業用品 2017-01-17


 「16-19年度の4カ年の新中期経営計画に取り組んでいる。16年度はその初年度であり、本来ならば良いスタートを切りたかったが、1年目が不十分な結果で終わったので、17年度は中計で取り組むべき経営体質の強化に向けて再スタートを切りたい」と話す。

 ■2016年を振り返って
 16年12月期の売上計画は前年比微増で組みましたが、期の半ばで見通しが厳しいことがわかり、売上高を下方修正しました。16年度はまだ確定していませんが、単体売上高は前期比3.5%減の218億円を見込んでいます。利益も減益の見込みです。

 減収の要因としては、1つは主力の軽自動車の生産が年初予想よりも低迷が続いたことで、いまだに軽は不振が続いています。商用車も期待ほど伸びませんでした。さらにもう1つ、消費税が17年から10%に増税されることに伴う駆け込み需要を期待していたのですが、それが先送りになったことも響きました。加えて三菱自動車の軽の生産・販売停止も減収要因となりました。

 ただ三菱自動車向けは、売り上げに占める比率は15年度で3割弱と、それほど大きくありません。その問題によって、当社が操業調整をすることもなく、また従業員が自宅待機するとか、休日を振り替えるといったこともありませんでした。

 ■海外生産拠点の現況
 16年度の海外子会社(生産拠点)の見通しは、アメリカは堅調な景気に支えられ、年初計画を上回って順調に推移し増収増益の見込みです。中国も計画通りで推移、増収増益を見込んでいます。

 タイは新工場を建設中でしたが、16年12月に完成、17年1月中旬に建設会社からの引き渡しが終了後、秋から量産開始を目指しています。

 インドネシアは、16年度から日系自動車メーカー向け防振ゴムの新しいプロジェクトが立ち上がったため、売り上げは順調に推移しています。防振ゴム以外の部品も増えていきそうで、17年度は収支的にも期待できるのではないかとみています。インドは順調に仕事量が増えており、今後はホースの拡販にも努めていく計画です。

 ■フィリピンで技術供与
 海外の生産拠点は5拠点となりましたが、新たな工場建設は今のところ計画はありません。海外事業での新しい動きとしては、15年10月にフィリピンの自動車部品メーカー、タイタンラバー社と技術供与契約を締結しました。タイタンは防振ゴムやホース、車体シール部品などを生産している、フィリピンでは比較的大きい会社です。三菱自動車と取引があったため、三菱自動車からの要請もあって当社がさらに品質を上げるなどの技術支援をすることで、現在は三菱自動車向けに部品供給を行う準備に取り組んでおり、その作業は順調に進んでいます。

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