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【新年インタビュー】三ツ星ベルト垣内一社長

「システムサプライヤーとして事業拡大を目指す」

工業用品 2017-01-06


 2017年度を初年度とする3カ年の中期経営計画を策定中の三ツ星ベルト。垣内一社長は「為替などの外部要因で収益が左右されないよう、企業体質を強化していく」と語る。今年は東南アジアを中心に生産拠点の設備更新・増強にも積極的に投資していく。

 ■2016年を振り返り
 16年も世界中でさまざまなことがありました。英国のEU離脱やトランプ氏が米国大統領に選出されるなど、世界の人々が何か変化を求めているのではないかと感じます。先行きの読み難い年でした。しかし当社としては、何事に直面してもブレることなく地道に仕事に取り組んでいく企業でありたいと思っています。

 16年はコーポレートガバナンスコードに対応し、社外取締役を2人選任したことにより役員会の雰囲気も変わり、好影響を与えてくれたと思っています。

 ■16年度の業績状況
 第2四半期は残念ながら若干減収しましたが、営業利益は増加し第2四半期段階としては過去最高益となりました。これまで打ち出してきたさまざまな施策が成果を挙げたことで、最高益を達成できたと思います。

 売上高と経常利益、当期純利益は減少しましたが、これは主に為替の影響です。為替などの外部要因で収益が左右されるようではいけません。できる限り左右されない企業体質にしなければいけないと痛感しています。

 地域別で見ると、国内は補修向けは堅調でしたが、ベルトを装着しないハイブリッド車(HV車)の拡大もあり若干減収になりました。国内市場は少子化や消費低迷などで、今後も売り上げを大きく伸ばしていくのは難しい。成長が期待できるのは、やはり海外でしょう。

 この第2四半期も海外は好調で、邦貨換算では減収になりましたが、現地通貨ベースではほとんどの地域が増収になっています。特に、当社の主力工場があるインドネシアとタイは好調で、両工場とも非常に忙しくフル生産状態です。

 ■製品開発の方向性
 HV車や電気自動車(EV車)は国内では今後も増加するでしょう。これは避けて通れない。こうした車両にはベルトが使用されなくなるので、スライドドア開閉用タイミングベルトなど、新たな用途開拓が必要になります。今後はエンジン回り以外での製品開発が不可欠です。

 自動車分野では燃費性能向上との兼ね合いで軽量化が求められるでしょう。そのため、これからはゴム素材にこだわることなく、軽量化に寄与する樹脂部品の開発提案にも力を入れていきたいと思っています。ベルトにこだわらず、新たな製品開発にも取り組んでいきます。

 またベルト単体ではなく、ベルトとオートテンショナ、ベルトと樹脂部品というように、システムでの提案に力を入れていきます。今後はシステムサプライヤーとして事業拡大を目指していきたいと思っています。

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