2020年3月期業績
不二ラテックス、医療機器事業など全事業で減収減益
工業用品 2020-06-08
不二ラテックスが5月26日に発表した2020年3月期業績は、売上高が72億1,200万円で前期比13.5%減、営業利益が3,500万円で同94.1%減、経常利益が3,300万円で同93.6%減、純損失が2,600万円(前期は3億9,700万円の利益)となった。
セグメント別にみると、医療機器事業は売上高が21億8,800万円で同20.1%減、営業損失が1億9,500万円(前期は1億500万円の利益)。国内は消費の減少傾向、価格の二極化、新素材製品のシェア上昇傾向が継続するなか、新素材コンドームSKYNが好調だったことや、ネット販売の伸長で売り上げが拡大した。一方海外市場では、景気の足踏みに伴う在庫調整による受注減で大幅な減収となった。メディカル製品は医療現場での感染防止意識の高まりやアレルギーフリー素材製品の認知度向上により、プローブカバー(感染予防製品)、内視鏡用の医療バルーンを中心に堅調に推移したが、新工場の通年稼働に伴う費用増もあり減益となった。
精密機器事業は売上高が44億円2,800万円で同11.2%減、営業利益が6億8,600万円で同26.3%減。ショックアブソーバおよびロータリーダンパーは、日米貿易摩擦などの影響に伴う設備投資の落ち込みにより減少基調で推移。主要市場の住宅設備関連は、新たな採用の増加で安定的な売り上げを確保した。利益面では労務費や製造経費の予算超過を主因として原価率が上昇したことが響いた。
SP事業は売上高が4億2,200万円で同12.7%減、営業損失が800万円(前期は2,100万円の利益)。ヘリウムガスの供給不足で受注が低迷。ゴム風船やフィルムバルーンは下半期から売り上げが回復傾向だったが、新型コロナウイルスの影響で苦戦した。
21年3月期業績は、売上高68億円で前期比5.7%減、営業利益が1億5,700万円で同338.9%増、経常利益が8,800万円で同159.4%増、純利益が6,100万円(前期は2,600万円の損失)と予想している。
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