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【特集】ロール/ブランケット

明和ゴム工業、16年9月期は前期並みを維持

工業用品 2016-12-22

 明和ゴム工業の16年9月期(第70期)の業績は、印刷用の落ち込みを工業用でカバーする形で、ほぼ前期並みの水準となった。

 印刷用はUV印刷向けの販売が伸長したものの、油性印刷、中でもオフセット輪転印刷向けの需要が大幅に落ち込んだことで若干のマイナス。新聞印刷用は巻き換え需要等が例年並みの水準で推移したことでほぼ前期並み。工業用(フィルム、製鉄、製紙)は、主力のフィルム向けの需要が堅調で業績を牽引、工業用全体では若干のプラスとなった。

 新聞印刷用では、東京五輪に向けた印刷機械の新台導入に伴う受注を順調に伸ばしたが、「これらが売り上げとして計上されるのは17―18年以降になる」(明和ゴム工業)としている。

 業績に貢献したのは、UV印刷用ではゴム製インキローラー「UV・Z(ゼスト)」や樹脂ローラの「UVサミットⅡ」、フィルム用ではシリコーンロールシリーズや帯電防止ゴムロールシリーズなど。

 特に「UV・Z」は、前期に創立70周年を迎えた同社が、時期を合わせる形で正式上市した新製品。耐インキ・耐洗浄性を樹脂の性能に限りなく近づけたゴムローラで、樹脂特有の加水分解がなく長寿命化を実現している。ゴム、樹脂両素材の製品をラインアップしたことで「ユーザーへの提案の幅が広がり、大きな強みになっている」(同)という。

 下期に向けては、引き続きこれらの製品群を中心に拡販を進める。UV印刷市場に向けては、11月にUVインキ用ローラ・ブランケット洗浄剤「UV洗浄大王eco」を上市、ゴム、樹脂ローラと合わせて販売していく。

 新製品は優れた洗浄力と環境負荷低減の両立を目的に開発されたもので、低膨潤によりローラの長寿命化を実現。現場のオペレーターにも優しい超低臭気でPRTR法や有機溶剤中毒予防規則に非該当、不燃性も備えており、同社では「印刷用需要が盛り上がる年末年始に向けて積極的に訴求していく」方針だ。

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