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【特集】ロール・ブランケット

明和ゴム工業、展示会に合わせて新製品開発に注力

会員限定 工業用品 2022-07-04

 明和ゴム工業の2022年9月期上期(2021年10月~2022年3月)の全社業績は前年同期比横ばいだった。
「印刷用ロールはマイナスとなったが、工業用ロールのゴムロールおよび金属ロールがプラスで推移し、トータルでは前年同期並みとなった」(明和ゴム工業)。

 製品別にみると、印刷用ロールは、新聞輪転機向けの巻き替え需要は横ばいだったものの、新設需要は東京オリンピックを境に一段落している状況。一方、商業向けは食品向けパッケージ印刷などの好調によりUV印刷向けロールの需要は堅調に推移、印刷用ロールの業績をけん引している。

 工業用ロールについては、高機能フィルム向けが堅調に推移した。コロナ禍でリモート会議や在宅勤務が増加するなか、パソコンやスマホ、タブレットなどの生産が増え、液晶・ディスプレイの製造工程で使用される帯電防止ゴムロール「エレコン」シリーズおよびシリックシリーズ、金属ロールの受注が堅調だった。「近年、フィルムの蛇行防止やシワを抑制するため、メッキ表面に溝加工などを施した金属ロールの需要が増加傾向にある」(同)。また、建材向けについても特に意匠性を持ったロールはコンスタントに受注できているという。

 同社では原材料価格やユーティリティコストなどの高騰が自助努力で吸収できる限界を超えているとして、昨年10~11月にかけてロール全製品を対象に値上げを実施した。「製品の品質を守るため、また、製品の安定供給を維持するためにも製品値上げは不可避の状況だった。ユーザーにも概ね理解を得られている」(同)。

 同社では、今後も堅調なフィルム向けにゴムロールや金属ロールなどの拡販を図っていく。また、各種展示会に合わせてロール性能を上げた新製品開発にも注力しており、「展示会でアピールすることで新規ユーザーやシェアアップを図っていく」(同)方針だ。

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