【特集】合成ゴム
デンカ、海外向けCRを値上げ
原材料 2016-12-22
デンカの17年3月期第2四半期(4―9月)業績におけるCR(クロロプレンゴム)事業は、販売数量は前年同期比で増加したものの、円高の影響を受けて手取りは減少した。
国内は、自動車向けが自動車生産台数の低調によりやや伸び悩んだ。また、一般工業向けについてもやや鈍い状況となった。
海外は、資源開発関連製品が落ち込み、同社のCRも影響を受けた。同社では、CRの安定的な事業継続、供給を維持するため、海外向けCRを対象に10月1日からの値上げを発表した。値上げ幅はトン当たり450ドル/400ユーロ以上。すでに値上げ交渉を開始している。
地域でみると、アジアは停滞気味だったが、中国は底堅く、インドは比較的堅調に推移した。欧州は低位安定。米州では、南米が不調だった。
米国子会社「デンカ・パフォーマンス・エラストマー」(DPE)が事業を開始してから1年が経過した。「生産の引き継ぎは順調に進んでいる。一部で日本とオペレーションの相違などがあるが、そうしたところは青海工場が技術支援をしている」(デンカ)という。
下期および通期の見通しについては、「資源関連需要が予測できないため、不透明と言わざるを得ない。市場開拓や高機能化を進め、CRの用途拡大を着実に実施していく」(同)としている。
同社は7月1日付で、自動車産業分野へのアプローチを強化するため、全社横断的な機能を持つ組織「AMS(オートモーティブ・マテリアルズ&ソリューション)開発推進室」を立ち上げた。
「いままでは各事業部門が個別でアプローチを行ってきたが、今後はAMS開発推進室を通じて、“点”ではなく“面”で、部品メーカーやカーメーカーのニーズを取り込んでいく」(同)方針だ。
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