検査の省力化・迅速化が可能に
島津製作所、新型コロナ検出薬キットの開発に着手
工業用品 2020-03-10
各種計測機器、分析機器メーカーの島津製作所は「新型コロナウイルス遺伝子検出試薬キット」の開発に着手した。同キットは、試料からのRNA(リボ核酸)抽出工程を省けるため、検査の省力化・迅速化に貢献。月産数万検査分の供給体制の早期確立を目指す方針だ。
現状の遺伝子増幅法(PCR法)による新型コロナウイルスの検出では、鼻咽頭拭い液などの試料からRNAを抽出して精製する工程が欠かせない。煩雑な手作業が求められるRNA精製には約30分かかるとされ、迅速な検査の妨げになっている。同社が開発を進める「新型コロナウイルス遺伝子検出試薬キット」は、RNA精製が不要。試料と前処理液を混合し、RT-PCR(逆転写反応を用いたRNAに対する増幅手法)用の反応試薬を添加して反応させるだけで、ウイルスの有無の判定を可能にした。
「新型コロナウイルス遺伝子検出試薬キット」は、島津製作所独自のAmpdirect技術をベースに国立感染症研究所のマニュアルの記載に従って開発。
Ampdirect技術はたんぱく質や多糖類などのPCR阻害物質の作用を抑制し、DNAやRNAを抽出・精製することなく、生体試料をPCRの反応液に直接添加できる。
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