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下水に含まれる新型コロナウイルスのPCR検査受託事業

島津テクノリサーチ、下水PCR検査サービスを開始

新型コロナ 2021-03-11

 島津製作所の受託分析子会社である島津テクノリサーチ(京都市)は、下水処理場の下水に含まれる新型コロナウイルスのPCR検査受託事業を2月25日から開始した。

 新型コロナウイルス感染者の糞便には、発症前からウイルスがしている。そのため下水処理場に流入する下水のPCR検査結果から、感染流行の兆しのある地域を特定できる可能性がある。また唾液や鼻咽頭拭い液などの検査で陰性となった後も、20日は糞便にウイルスが含まれると指摘されており、継続的な検査は感染収束の見極めにも有効とされている。

 しかし下水に排出されるウイルスごく微量であり、また下水中に存在する様々な物質がPCRを阻害するため、検出は困難だった。この様な状況を打開するため、島津テクノリサーチでは、京都大学の田中宏明教授・井原賢助教授、金沢大学の本多了准教授、富山県立大学の端昭彦講師の技術指導を受け、下水中の新型コロナウイルスの検出に関して検討を重ねてきた。その結果、「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル(暫定版)」に従い、下水処理場の流入下水や最初沈殿池流出水を、ポリエチレングリコール沈殿法(PEG沈殿法)で濃縮した試料から、同社製「新型コロナウイルス検出試薬キット」(研究用試薬)を使用し、新型コロナウイルス検出が可能であることが確認された。

 なお、島津製作所は昨年からPCR検査の煩雑な前処理工程を省ける「新型コロナウイルス検出試薬キット」(研究用試薬)、「Ampdirect2019‐nCoV検出キット」(対外診断用医薬品)、「新型コロナウイルス拭き取り検査試薬キット」(研究試薬)、さらにクリニック向けにPCR検査を全自動で行う「遺伝子解析装置AutoAmp」を製造販売し高評価を得ている。

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