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【特集】手袋

三興化学工業、熱可塑性エラストマー素材の手袋発売

工業用品 2016-10-04

サンコーシルキーフィットZero

サンコーシルキーフィットZero


 医療用手袋を中心に展開する三興化学工業の前期(16年3月期)業績は、前期比増収増益となった。

 「為替円安やマレーシア工場(サンケムコーポレーション)での人件費高騰が継続するなど経営環境は厳しい状況だったが、昨年発売した低圧用電気絶縁手袋『エレテックス』等の新商品や、極薄手袋の販売が堅調に推移したことで増収増益を確保した」(同社)。

 足元(4―6月)の状況も増収微増益と堅調を維持しており、積極的に新商品を投入していくことで通期業績のさらなる向上を図る。

 9月1日には新たなフラッグシップ商品として、熱可塑性エラストマー(TPE)を素材とした新感覚の手術用手袋「サンコーシルキーフィットZero(ゼロ)を発売した。手術用手袋の素材にTPEを使用した商品は世界でも初めて。

 新商品はTPEを素材とすることで「ラテックスタンパクゼロ」「加硫剤・加硫促進剤ゼロ」「パウダーゼロ」「ゴム臭ゼロ」など、多くの「ゼロ」を実現。それにより、ラテックスタンパクによるⅠ型アレルギー(即時型)や、加硫剤・加硫促進剤によるⅣ型アレルギー(遅延型)、パウダーによる刺激性接触性皮膚炎(非アレルギー性)などの発症を防ぐ。

 また柔軟性に優れ、水を吸収しにくい性質を有することから、「体液や油分吸収による手術中のピンホール発生を防ぐほか、優れた柔軟性により二重装着しても手にストレスがかからないなど、医師の安全に貢献する画期的な商品となっている」(同)。

 同社では新商品のキャンペーン活動の一環として11月4―5日に沖縄・那覇で開催される「日本手術医学会総会」で専用ブースを出展しPRする。学会ではランチョンセミナーも開催する予定で、米国から著名なドクターを招待し、新商品の特長について解説してもらう。セミナーには300―500人の参加を見込んでおり、これらの活動を通じて拡販を進めることで、初年(年間)は100万双の販売を目指す。

 なお、10月には家庭用手袋「手袋美人」を発売するほか、「年度内にいくつかの商品を立て続けに上市していく」(同)計画だ。

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