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【特集】インフラ製品

住友ゴム工業、防舷材の新機能製品を上市

工業用品 2018-04-03

神宮球場に施工された「ハイブリッドターフ」


 住友ゴム工業は、産業品事業で取り扱う製品のうち「建築フロア」、「土木・海洋商品」、「体育施設」の3つをインフラ製品と位置付けている。ハイブリッド事業本部長の村上博俊執行役員と各担当者にインフラ関連製品の販売状況を聞いた。

 17年度は、建築フロア事業は横ばい、土木・海洋商品と体育施設事業は増収し、インフラ製品事業全体では増収となった。

 建築フロアは、塗り床「グリップコート」が主力製品で、17年は新設物件よりも改修物件が多かった。物流倉庫で大規模改修案件があったほか、排水処理場の改修案件などがあった。同社の塗り床は国内シェア第2位で、優れた耐久性により高い評価を得ている。施工先は工場関連が多く、耐熱性、耐薬品性など工場の多様なニーズに対応するため50数種の塗り床材を揃えている。同社の塗り床は、製品だけでなく施工も含めた提案が特色。製品から工事、アフターケアまでトータルに、質の高いサービスを提供している。

 建築フロアの今期業績は、前期比微増の計画。近日発売する水系硬質ウレタン材料「グリップコートU-30」の販売に注力する。「新製品を投入することで、水系硬質ウレタン分野にも注力していく」(同社)。新製品は従来品に比べ、薄く塗っても耐熱性能が高いため、使用量を削減できる。また厚塗りよりも薄塗りの方が作業性が良いため、使用量と工期の両面でコスト削減を図ることができる。

 土木・海洋商品は、主力の防舷材が国内、海外の大型港湾プロジェクトの受注により大きく伸びた。止水ゴムも東京湾の海底トンネル工事向け供給がピークだったこともあり前年比3倍増となった。沈埋トンネルの止水に使用されるもので、1周70メートルという長尺の止水ゴムを納入した。防舷材、止水ゴム以外の商材も堅調で、踏切の安全対策として用いられる踏切舗装板などの販売も伸びた。

 土木・海洋商品の今期業績は減収の見通し。防舷材、止水ゴムともに前年の大型物件受注の反動によるもの。この減少をカバーするため、防舷材で新しい機能製品を上市する計画のほか、踏切舗装板の販売にも注力する。

 体育施設は、関東地域を中心に公共施設向け販売が好調だった。主力製品はロングパイル人工芝「ハイブリッドターフシリーズ」と砂入り人工芝「オムニコート」。ハイブリッドターフは、「少子化への対応から、学生を集めるためにスポーツ施設を充実させる私学が関東を中心に増えており、ここ数年採用が増えている」という。

 体育施設の今期業績は、横ばいか微増の見通し。関東地域を中心に販売拡大をはかっていく。

 また今年1月、テニスコートの設計・施工をするスポーツサーフェス社を子会社化した。同社は米国のテニス用ハードコート「Deco Turf(デコターフ)」の日本での独占販売・施工権を有していることで、今後は砂入り人工芝、ハードコートの両タイプで事業拡大をはかる方針。

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