【新年トップインタビュー】
丸五ゴム工業社長藤木達夫氏、「新規用途開拓が長年の課題、自動車以外でも成長めざす」
工業用品 2018-01-10
2019年にグループ100周年を迎える丸五ゴム工業。記念の年である19年を最終年度とする中計達成に向けて取り組みを強化している。藤木達夫社長は「中計2年目の17年は、売上高は計画をクリアしたが、利益目標は未達だった。これから利益増加に向けて挽回していきたい」と意欲的に語る。
■17年を振り返って
17年12月期国内売上高は前期比7-8%増を見込んでいる。生産・販売とも比較的堅調に推移した1年だったという印象だ。しかしその一方で、原材料価格の高騰や人手不足が継続した1年であったとも言える。原材料高騰により売上高に占める原材料コストが高まっている。人手に関しては、水島コンビナートの大手企業が人材確保に動くと大きな影響が出る。現業職を確保するため年間を通して募集をかけたが、思うように採用できなかった。少子化の中、人手不足は一過性の問題ではない。前工程と後工程をつなぐなど、生産工程の省人化を図っていきたいと思っている。人手不足を前提にした、生産体制の改革・改善が必要だ。
■17年度業績と18年度見込み
17年度国内業績は、売上高は国内自動車生産が堅調だったことで増収する見通し。利益は減益になりそうだ。18年度は増収増益の計画で、売上高は前期比3%増の240億円台半ばを目指している。
当社は売上高の90%以上を自動車部品が占めている。それ以外は二輪車、農業機械、建設機械となる。自動車以外の新規用途開拓が長年の経営課題になっている。そこで2011年に新規事業開発部を開設した。ここでは新規用途開拓のための技術開発など中長期的な課題に取り組んでいる。
■海外生産拠点の現況
当社は米国、中国、インドネシア、インド、タイに生産拠点を持っている。米国は堅調に推移している。中国は主要顧客の順調な生産に支えられ、17年は非常に好調だった。2棟ある工場がフル生産状態のため、今後第3棟の建設も検討していく。インドネシアも好調だ。主要顧客の新工場が稼働したことで非常に忙しい。インドは成型部門とホース部門があり、ホース部門に新規投資を行った。そのため採算が少し厳しくなったが、今後に期待している。タイは新工場の開所式を17年11月16日に行い、量産移行を進めている。タイではこれまで販売のみだったが、新工場の立ち上げで生産体制も整った。
国内と海外の売上高比率は100対30ほどで、今後は海外売上高をさらに拡大していきたいと考えている。
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