【特集】ゴム・樹脂ホース インタビュー
ユーシー産業永吉昭二社長、鳥取工場に資本・人材リソース集中
工業用品 2017-11-22
鳥取工場への生産移管を進め、今後も資本・人材リソースを集中させていく方針のユーシー産業。「来期以降に生産性向上に繋がる投資にも取り組んでいく」と語る永吉昭二社長に足元の業績や今期見通し、課題点などについて聞いた。
■足元の業績
今年度(12月期)1-9月の業績は前年同期比2%増収の見通し。16年度は10数%増収と好調だったので、今期は3-4%増の計画を立てていたが、それを若干下回る結果となった。収益面は輸送費・梱包材はもとより材料費の値上げにより厳しい状況で、こちらも大幅増益となった前期には及ばなかったが、例年の水準と比べるとまずまずといったところだ。
■販売状況
今期は特定空調機ユーザー向け断熱材付ホースとDIY向けホースの販売が好調だった。前期途中から立ち上げた特定空調機ユーザー向けでは、今期はフルシーズンで供給できたこと、関西地域で猛暑が続きエアコンの販売が増加したことが寄与し、出荷量は前年度比約20%増。DIY向けでは、大型家電量販店が中国でのコストアップ等を受けて、個別での海外調達から国内調達(同社OEM先)に回帰したことで同12%増となった。
一方で厳しい状況だったのが大口ユーザー向けのダクト製品で、取引先のスペック変更により需要そのものがなくなり同25%減に。好調だった先ほどの2品種に比べ売上高に占める割合が大きかったため、今期計画未達の最大の要因となった。
■通期業績予測と18年度計画
通期では、売り上げ面はこれまで通り前年度比2%増の水準で推移していくとみている。ただ、収益面では輸送費や梱包費など材料費が上昇基調にあるので、今後ますます厳しくなる見通しだ。
18年度計画については現在作成中で、11月下旬には社内的にオープンにする予定。厳しい状況に合わせ目標を甘くするとどんどん失速してしまうので、今期の実績値を基に堅実になり過ぎず、かつ大風呂敷は広げない基準に設定し、達成に向けて意欲的に取り組んでいきたい。
■期待する製品
建築・建設市場で販売が好調なエバフリーシリーズに期待している。なかでも屋外用のBFP型(小口径)は、元々橋梁の床板排水用として開発したものだが、法面ボーリング配管からの集合管への接続用としての需要が増加している。使用本数も多く、今後の用途の広がりも見込める製品として特に注力していきたい。
またパッケージエアコン用ドレンアップホースの拡販にも努める。この市場では「塩ビ管プラス断熱材」から「断熱材付フレキシブルホースによる配管」が主流になりつつあるので、来期にはユーザーニーズに合わせた新製品の投入を計画している。
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