独ランクセスは9月25日、タイヤ向けの新しい老化防止剤 「ブルカノックス 4060(Vulkanox 4060)」を開発し、EU REACH(欧州の化学物質認可制度)への登録が完了したと発表した。商業生産開始は、2026年第4四半期を予定する。

「ブルカノックス 4060」

 新製品の有効成分「CCPD(N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン)」は、タイヤを酸素やオゾンによる劣化から保護するため現在、ほぼすべてのタイヤで使用されている老化防止剤 「6PPD」の代替品として開発。6PPDの分解生成物、特に6PPDキノンは、米国にお けるギンザケの大量死との関連が指摘されるなど、このところ環境面の懸念が高まっていた。

 一方、新製品の変換生成物であるCCPDキノンは、これまでに実施したギンザケによる環境試験で溶解限界濃度に達しても、急性影響が認められなかった。さらに、EU REACH登録の完了により、欧州市場でも使用可能な成分になった。

 同社ファンクショナルタイヤアディティブス事業部長のホルガー・グラーフ氏は「『ブルカノックス 4060』は、タイヤ業界が直面する特定の生態毒性および規制上の課題に対応するために開発した。当社および顧客によるさまざまなな試験の結果、CCPDは6PPDと同等のスペックを持つと同時に、環境特性が大幅に改善されたことが確認できた。そしてREACH登録の完了により、この製品を市場に提供できるようになった」と、開発の手ごたえを述べた。

 今回の新製品は、同社の「Safe and Sustainable by Design(安全かつ持続可能な設計)」の考え方を象徴する製品としている。有効成分のCCPDは、分解性、生物蓄積性、水生生物への毒性および規制適合性を考慮し、開発当初から環境特性の向上を重視して選定された。世界的に環境規制がますます厳格化する中、将来を見据えたサプライチェーンの構築が求めらるタイヤメーカーのニーズに対応する特性に仕上げられたともしている。