化学メーカーとしては初めて
日本ゼオン、量子コンピュータ用ソフトウェア開発企業と業務・資本提携
原材料 2022-03-31
日本ゼオンは、量子コンピュータ用ソフトウェア開発を手掛けるQunaSysと業務提携契約を締結した。また、同時に資本連携を目的に株式投資契約を締結し、第三者割当増資を引き受け、QunaSysに出資する。なお、化学メーカーとしてはQunaSysと初の業務・資本提携となる。
提携を通じて日本ゼオンは、機械学習・自動実験・量子コンピュータなどの先進技術をいち早く材料開発に役立てることができ、先進的なデータマネジメントプラットフォームを構築し、既存・新規事業の研究開発を加速していく。さらに、化学業界にとってこれまでにないビジネスモデルの構築も目指す。
量子コンピュータは、既存のコンピュータとは異なる原理で動作し、現在スーパーコンピュータでは解決できない複雑な問題を高速に解決できる可能性がある。特に材料シミュレーションにおいては、最も早く実益がもたらされる可能性が高いと言われており、高精度な電子状態計算が求められる光反応性材料や触媒材料設計などへの応用が期待されている。
一方、量子コンピュータのもたらす価値を最大限享受するためには、実験データや計算データを適切な形で蓄積したうえで、機械学習などの高度な解析手法を適用し、材料設計に対して高速なフィードバックを可能とするような先進的なデータマネジメントプラットフォームの構築が不可欠と言われている。
今回の資本業務提携は、日本ゼオンが保有する材料開発の基盤や知見と、QunaSysが得意とする先進デジタル技術の知見を融合することで、カーボンニュートラルなどの大潮流から生まれる新たな材料ニーズに応え、社会課題解決を目指すもの。また、将来的には、両社が共同で創出したデータマネジメントプラットフォームの外販や知的財産の活用にも取り組んでいく。
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