【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、原油高で期先はじり高
連載 2021-10-11
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は、RSSが1キロ=210円台前半で小幅高になった。原油相場が2014年11月以来の高値を更新する急伸地合を形成するなか、ゴム相場に対しても投機的な買いが膨らんだ。ゴム需給要因ではなく、原油相場の動向を眺めながらの売買が目立った。

上海ゴム先物相場は、10月1~7日まで国慶節の連休を迎えた。このため、上海ゴム相場主導の売買は見送られ、JPXゴム市場では売買高の低迷が目立った。
10月入りしてから、原油や天然ガス、石炭などのエネルギー価格の高騰が深刻化している。世界的に新型コロナウイルスの感染被害が収束に向かっていることで、エネルギー需要は急激に回復している。一方、供給能力の乏しさが警戒されており、冬季のエネルギー需要に対応できるのか不確実性が増している。10月4日には石油輸出国機構(OPEC)プラス会合が開催されたが、増産加速といった政策対応が講じられることもなく、原油高が加速している。
原油相場の高騰は合成ゴムの原料価格の値上がりに直結することに加えて、インフレ懸念も高めることになる。近年は原油相場とゴム相場との連動性は薄れる傾向にあるが、原油相場が連日のように約7年ぶりの高値を更新したことで、ゴム相場も無視することができなかった。上海ゴム相場が連休だった影響もあり、比較的単純に原油相場の動向を眺めながらの売買が目立った。
一方、取引が行われていた香港株式市場では、不動産大手・中国恒大集団の経営不安、中国経済の減速懸念などから上値の重さが目立った。
また、ロンドン非鉄金属相場も大きく値を崩すことはなかったが、中国リスクの織り込みで上値の重い展開が続いた。このため、ゴム相場も中国リスクを織り込む形で軟化する選択肢もあったが、実際には原油相場主導でじり高の展開になっている。ただ、買いが膨らんだのは期先限月が中心であり、当限はほぼ横ばいの展開になった。このため、順サヤ(期近安・期先高)傾向が改めて強まり、投機色の強い値上り圧力になっている。
一方、タイでは9月下旬の台風で洪水被害が発生したが、その後は特に目立った天候障害などは報告されていない。台風シーズンとあって天候不順に注意が必要だが、直ちにリスクプレミアムを加算する必要性は高まっていない。タイ中央ゴム市場の集荷量にも、特筆すべきような動きはみられない。現物相場は、10月7日時点でUSSが前週比1.0%安の1キロ=49.87バーツ、RSSが同0.4%安の52.31バーツと、ほぼ横ばいであり、産地主導の価格形成は見送られた。
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