4月に品種統合、価格改定も
クレハエラストマーが16年度中計でゴム板黒字化へ
工業用品 2016-03-21
クレハエラストマーでは、16年度から新たな中期経営計画をスタートさせる。新中計の目標は“全事業部の黒字化”で、施策の実施を徹底し目標必達の覚悟で新年度に臨む。
目標達成に向けて解消すべき最優先課題となっているのが、現在赤字事業となっているゴムシート事業部の黒字転換。
同事業部は売上高約30億円(15年3月期)と全売上高の45%ほどを占める同社のメイン事業のひとつ。製品面では、天然・合成ゴムなどの汎用ゴムシートから、厚さ0・2ミリ以下の機能性極薄ゴムシート、3m幅の超広幅ゴムシート、音・振動を吸収する制振材「VBRAN(ヴィブラン)」などの高機能製品まで幅広く展開し、需要先業界の発展に貢献している。
2015年には、汎用品を中心に環境対応製品「Eシリーズ」への切り替えをほぼ完了するなど、環境保護活動にも積極的に取り組み、売上高とともに販売シェアを着実に伸ばしてきた。
その一方で収益面は厳しく、同事業部は赤字状態が続いている。要因としては、リーマン・ショック以降のゴム板市場の縮小が定着する中、長期にわたり価格が低く抑えられ、利益が上げ難くなっているという構造的な問題がある。
事実、同社でも原油価格が高騰した際や、実質的にコスト上昇となった環境対応製品への切り替えの際も価格改定を実施できなかった。加えて、ユーザーの要望に応えるために品種を増やし続けて来たことも収益を圧迫する要因となっている。
同社ではこの状況を踏まえ「この先も同事業部を継続し、ユーザーへの供給責任を果たしていくためには、抜本的な改革が必要」と判断。増え過ぎた品種統合を含むプロダクトミックスの見直しとともに、その一環として一部製品の価格改定を実施すると決定。その内容を新中計にも織り込み、4月から随時実施していくと発表した。
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