工業用ゴム・樹脂業界で国内初
ホッティーポリマー、高性能LAMシリコーン3Dプリンター導入
工業用品 2020-07-07
ホッティーポリマー(東京都墨田区、堀田秀敏社長)は、主力生産拠点てある久喜第一工場(埼玉県久喜市)のシリコーンゴム製品生産ラインに、ドイツの3Dプリンター専業メーカー「ジャーマン・レップラップ(German Reprap)」社製の、高性能LAM(液体積層造形方式)シリコーン3Dプリンター「L320」を導入し、7月1日から本格稼働を開始した。工業用ゴム・樹脂製品業界における「L320」の導入は、同社が国内初となっている。
「L320」の最大の特徴であるLAMは、液状シリコーンゴム(LSR)のような低硬度素材を複数層にわたって積層および加硫することで、造形する製造プロセスとなっている。これにより、金型を製作しないで試作や量産が可能となり、コストや生産に掛かる時間の大幅な削減を実現する。
さらにLAMによる3Dプリント技術では、例えばクロスや格子、ハニカム構造の造形といった、LIM成形や射出成形などでは加工が非常に困難だった複雑な造形の製作も高精度で可能となっている。
「L320」のその他主要特徴は次の通り。
①可変ノズル=さまざまなノズルを使用することで微細構造や大型部品でも短時間で処理可能②オートレベリング機能=完全自動式の台座水平機構により精密レーザーによる3点測量を行い造形品質が大幅向上③熱による架橋=特殊ハロゲンランプの採用により活性化エネルギーを放出し2つの成分間の完全な架橋を分子レベルで促進④材料の供給=カートリッジシステムやオプションの材料ベールで材料を安定投入⑤安全性=徹底した安全技術により硬化過程の監視を実施。
工業用ゴム・樹脂分野での国内販売代理店契約も締結
ホッティーポリマーでは、久喜工場への導入に留まらず、ジャーマン・レップラップ社と、工業用ゴム・樹脂分野における国内販売代理店契約も締結し、7月1日から「L320」の販売および技術サービス、受託加工を本格的に開始した。
販売目標は「今期は新型コロナの影響で設備投資意欲が低下しているため5~10台、来期以降は30台前後を目指す」(堀田社長)。
同社では7年前から3Dプリンターを導入しているのに加え、2019年6月から「ファインダー(Finder)」や「レイズ3D(Raise3D)」などの3Dプリンター本体の販売も展開し、多くの納入実績を挙げているほか、造形サービスも実施し好評を得ている。
さらに同社では、「HPフィラメント(スーパーフレキシブルタイプ)」などの3Dプリンターに必要不可欠なフィラメントも、数多く自社生産しているのも強みとなっている。なお「L320」用のフィラメント素材として、同社ではダウ・東レ製を採用しており、従来に増してクリアで透明な製品製作を実現している。
また同社では3Dプリンター関連の専門知識を取得した技術スタッフも数多く有し、自社製品開発へのノウハウ投入に留まらず、顧客へのアドバイスなどでも高評価を得ている。
ホッティーポリマーでは、今回の「L320」の導入および代理店契約締結を機に、蓄積してきたノウハウを結集し、3Dプリンター本体の販売から設置、稼働フォロー、造形サービスといった、3Dプリンター関連の総合コンサルタント企業を目指す方針。
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