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火災発生から約半年で再建

ミナトゴム、岩手工場落成式を開催

商社 2025-03-10

 ミナトゴムは2月2日、岩手工場・管理棟(岩手県二戸市)落成式ならびに祝賀会を開催した。

テープカットの様子


 同社岩手工場は、2024年5月1日に発生した火災によって6棟のうち3棟が焼失。その後管理棟の再建工事が迅速に進められ、この度の式典を迎えることになった。なお第2~4建屋への延焼被害は食い止められ、生産は再開していた。

祝賀会であいさつする田口社長


工事の経過報告をする小滝工場長


 ミナトゴムは、1969年東京都港区虎ノ門にゴム製品を取り扱う卸商社として創業。本社を千葉県船橋市、国内工場として茨城県稲敷市にRDC(研究開発センター)がある。岩手工場は1991年に操業が開始された。特に同工場が主力製品として納入している顧客企業については、「36年にわたり取引をいただいている。その実績は、ミナトゴムが持つ製造技術の確かな自信に繋がっている」(田口昌也ミナトゴム社長)

祝賀会の様子


 落成式では、小滝義信岩手工場工場長が工事経過報告を発表。それによると、2024年5月1日の火災により、製品保管庫・第1建屋・検査室兼事務所が焼失。その後、解体撤去作業を進めながら、新社屋建設に向け地元建築業者と協議を重ねた。9月に管理棟設計が決定し、建設に着工。12月には基礎、柱建て、屋根の大部分が完了し、2025年に入り、内装・外壁工事も完了した。1月29日に完了確認検査を終え、30日に引き渡しが行われた。

 その後管理棟中央玄関でテープカットを行ったのち、2班に分かれ管理棟を含む工場見学ツアーが実施された。

完成した管理棟外観(写真左)


検査室


 新設した管理棟の延床面積は208.68平方メートル。事務所と検査室、会議室、製品保管庫、前工程や仕上げ工程の機能を集約した。

 落成式終了後は、開場を二戸パークホテルに移し、参加者らによる祝賀会を開催した。

火災から得た教訓を風化させず、製品品質の維持・向上を目指す

 祝賀会の冒頭、田口ミナトゴム社長があいさつに立った。

 「5月に発生したミナトゴム岩手工場の火災で、ステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけした。特に主要顧客企業においては、火災後の金型確認作業に多くの従業員が尽力してくださった。また今回の管理棟建設にあたり、二戸市役所をはじめとする行政、建築業者、地元の銀行、設備導入に協力いただいた協力企業等、関係者の皆様には大変感謝している。

 近年、ミナトゴムは新型コロナウイルスや紛争・自然災害対策などの観点から、敢えて工場を分散させてきた。特に当社岩手工場とベトナム工場には、積極的かつ継続的な投資を行ってきたが、今回の火災は当社リスクマネジメントの甘さを改めて考えさせられることとなった。

 今後より一層BCP対策を強化させ、ユーザーおよびステークホルダーの皆様に信頼される企業を目指していく。また今回の火災から得た教訓を風化させず、今まで以上に製品品質の維持・向上へ向け、より良い作業環境を整え、災害に強い工場・事務所の運営を維持させていく。

 先行きが不透明な時代において、管理棟建設は容易ではなかった。しかしこうした時代だからこそ、会社・社員一丸となって、社業に活発に取り組む姿勢を貫き、将来を見据えなければならないと強く感じている。当社はまだまだ未熟だが、社員一同、精一杯努力していく」

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