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個人経営の機械工具商からゴム工業用製品卸売会社へ

丸高興業、創業100周年記念式典を開催

商社 2017-05-25

100周年記念式典の様子

 

あいさつする高畠光敏社長


 1917(大正6)年に創業した丸高興業(本社・東京都千代田区神田淡路町、高畠光敏社長)が今年3月、創業100周年を迎えた。同社はこれまでの社業発展に謝意を表すため、5月15日午後4時30分から、東京・丸の内のパレスホテル東京で創業100周年記念式典を開催した。主要仕入先をはじめとする取引先、業界関係者などの招待客と同社役員・社員、高畠家親族ら総勢約270人が出席、盛大な祝宴となった。

 高畠社長「先輩方の地道な努力の賜物」
 記念式典は高畠亨丸高興業会長の孫の公塚千晴さんが司会を務めた。開会に先立って高畠光敏社長が次のようにあいさつした。「弊社の創業者である高畠信一郎は茨城県東海村の出身で、庄屋の次男だったこともあり、常陸太田中学卒業後に栃木の製材工場に就職しました。その後、同製材工場の山形工場長を命ぜられ、そこで地元の方に紹介されて軍人の娘である祖母と結婚しました。長女を授かったころ、木材に携わった事業を興すことを決意し、大正6年に上京し、神田淡路町で個人経営の機械工具商をスタートしました。その後、現在の主力であるゴム工業用製品も扱うことになり、両軸で第二次世界大戦前後の混迷を乗り切ってきました。昭和39年に高畠亨が2代目社長に就任し、好景気の追い風を得て事業規模を拡大しました。多くの優良なお取引先様のアドバイスを頂戴しながら信頼関係を大切にし、これを財産と考える弊社社風は2代目の経営理念でもあり、今日も脈々と受け継がれています。平成22年に私が3代目社長に就任し、社内効率化、情報化の向上を推進すべく精進しています。会社を存続させてきた原動力である先輩方の地道な努力の賜物を無駄にせぬよう、より一層の創意工夫をしていきます」

 続いて来賓を代表して横浜ゴムの大石貴夫取締役専務執行役員MB管掌が祝辞を述べた後、主要仕入先関係者らが壇上で3樽の鏡割りを行った。

 引き続き、横浜ゴムの本山一雄顧問が乾杯の発声を務め、祝宴に入った。管弦楽三重奏+ピアノによる生演奏が流れる中、和やかに懇親が進み、宴半ばでは丸高興業100年の歩みを写真でたどるスライド上映が行われた。上映終了後、式典参加の幹部社員全員が壇上に並び、同社の社是を斉唱するとともに、経営理念や使命、行動指針などからなる「丸高フィロソフィ」を声高らかに朗読した。

 しばらく懇親が進み、午後6時45分ごろに高畠社長から次のような御礼のあいさつがあった。

 「今年4月初旬に会長がお腹が苦しいと言って家で倒れたので急いで病院に連れていったところ、胆のう炎ということで腹腔鏡による胆のう摘出手術をし、おかげさまでこの日に間に合いました。その前の3月には88歳にして白内障の手術を受けており、まだまだ元気で生きる気力に満ち溢れていることを皆様にご報告申し上げます」

 引き続いて仕入先を代表して、トヨックスの宮村正司専任顧問が締めのあいさつを行い、続けて3本で締めた。最後は丸高興業の鈴木由壽取締役常務が結びのあいさつを行い、午後7時過ぎにお開きとなった。

 横浜ゴム本山顧問「戦後、今日までゴム産業に貢献」
 丸高興業さんが創業された翌年の1918年、大正7年は第一次世界大戦が終結した年で、大正12年には関東大震災がありました。昭和に入ると満州事変、日華事変と続き、終戦まで激動の時代が続きました。激動をくぐり抜けて丸高さんは戦後、今日まで一貫してわが国ゴム産業に貢献されてきました。それを支えてこられましたのは、丸高さんの持つ人間力ではないかと思います。仕入先との関係、丸高さん社内の上下関係のいずれの場面でも人間力が安定していたからではないでしょうか。今の人間力からすれば、この先も100年続くのは間違いないと確信しています。

 横浜ゴム大石取締役専務執行役員「丸高フィロソフィが企業の力に」
 丸高興業さんで思い起こすのは、業界新聞などで高畠光敏社長の似顔絵と「感謝」の言葉が載っている新聞広告で、その似顔絵通りに明るい社風の会社という印象を持っています。弊社も今年10月に創立100周年を迎えますが、企業文化・風土としての努力が受け継がれないと達成しないと考えます。現在、丸高興業さんが掲げる、「社員相互の和をもって、新たなる発展を目指し、次代を創造する経営課題に挑戦し、積極的な経営方針を展開し、明日を創っていく決意」という、“丸高フィロソフィ”そのものが企業の力となっていると確信しています。(高畠社長の似顔絵イラストは社長夫人が描いたもの)

 トヨックス宮村専任顧問「国内で極めつけのスーパーディーラー」
 工業用品業界が厳しさを増す中で、丸高興業さんはこれまで堅実に成長してこられました。丸高さんはエリアごとの大事なお客様にしっかりと情報を提供し、ユーザーから求められる機能商品を供給するというビジネスモデルを高畠社長がしっかりと構築しています。しかも特約店とのネットワークも広域にわたるなど、“ホースの丸高”として国内で極めつけのスーパーディーラーとして位置付けられています。そのパワーをさらに深く、強く発揮することが工業用品の活性化につながるとみていますので、我々もしっかりサポートしていきたいと思います。

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