PAGE TOP

粗利確保で良質なサービスを提供

日加商工、メーカーの実施日とリンクしてゴムシートを値上げへ

商社 2024-09-02

 日加商工は、ゴムシートメーカーが打ち出した値上げ実施日にリンクした形での値上げ交渉に入っている。

加藤暢利社長


 加藤暢利社長は、「これまでは、値上げのタイミングを次回の注文分からとしていたが、今回はメーカーからの値上げ実施日とリンクして対象製品の値上げをお願いしていく。我々商社からユーザーに値上げが浸透するまでに長ければ半年ほどのタイムラグがあるケースもあるなか、その間に生じる粗利率の低下が及ぼす影響は大きい。また、経済動向の変化が早く、タイムラグの間に次の値上げが発表されるケースもあり、そうなると値上げが一回飛ばしになってしまう」と背景を語る。

 ゴムシートメーカーは日東化工の9月1日出荷分の値上げを皮切りに、マクセルクレハが9月2日出荷分から、タイガースポリマーが10月1日受注分から、十川ゴム、オーサカゴム、入間川ゴムが10月1日出荷分からの値上げを打ち出し、8月27日に全ゴムシートメーカーの値上げ表明が出揃った。

 日加商工では「労働人口の減少により人材の確保が困難になっている昨今、従業員の給与や待遇改善はコストアップに直結するものであり、それに対応するためには値上げによる粗利率維持が不可欠となる。人材は商社の存在価値となる良質なサービス提供を維持するために必須であると、理解を得ていきたい」(同)としている。

 また、一方で取り扱うゴムシートのアイテム数を増やすなどサービスの強化も行う。「当社のサービス強化のなかでも特筆すべき点は幅広ゴム板。1,300ミリ、1,400ミリの幅広ゴムシートの在庫品種や厚みアイテム数を増やしていくことで、より適したゴムシートを選ぶことができ、それにより歩留まりが良くなり、コストダウンに繋がるケースもある」(同)とし、引き続きユーザーに優良なサービス提供に努めていく方針だ。

関連記事

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物