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【特集】ゴム関連企業の海外進出<中国編>

セパック工業、上海を中心にビジネス展開

商社 2017-04-26

セパック(上海)貿易有限公司がある華富ビルディング

 
 セパック工業はゴム、プラスチック、金属等を素材とする各種工業用シール製品の製造・販売を主力に、工業用ゴム・樹脂成形品など各種機器類の関連部品を展開している。

 中国市場への進出は2004年で、上海にセパック(上海)貿易有限公司を設立した。同社は2004年1月に中国政府から認可を受け、2月から業務を開始した。

 「中国市場へは、以前から原子力発電所や製鉄メーカー向けに製品を輸出していたが、中国に進出している日系企業からの要請もあり販売会社設立を決断した。設立当初は、将来的には販売だけでなく加工部門もやろうと思っていたが、加工部門は止めて販売のみに業務を絞った。中国では北京、大連、上海、寧波の4地域に日系企業が多いが、国土が広すぎて、当社の規模では各地に広がる顧客の要望に対応し切れないため上海を中心とした地域に販売基盤を絞った」(木村紀一社長)。

 設立当初の販売割合は日系企業向けが80-90%、以前から輸出していた現地企業向けが10-20%。その後、日本から製品を輸入するだけでなく、中国から日本への製品輸出も手がけ始めた。現在では、輸入と輸出が半々になっている。今後は日本への輸出の方が増える見通しという。

 「中国の子会社は設立5年で黒字化し、その後、経営は安定して推移している。中国はこれまでは『世界の工場』といわれた生産拠点であったが、今では、モノを消費する巨大な『世界の市場』へと変貌を遂げた。この背景のもと今後の中国市場に対する展開・課題も多く、中国ビジネスを再構築する必要がある」(木村社長)

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