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タイヤ4社の16年通期業績見通し

急激な円高進行、減益要因に

タイヤ 2016-08-22

左からブリヂストン江藤執行役副社長、住友ゴム工業池田社長、横浜ゴム野地社長、東洋ゴム工業清水社長

左からブリヂストン江藤執行役副社長、住友ゴム工業池田社長、横浜ゴム野地社長、東洋ゴム工業清水社長


 タイヤ4社が8月8―10日にかけて発表した16年12月期通期業績予想は、原材料価格が低位で推移するものの、急激な為替円高の進行が利益を圧迫するとして、各社とも通期予想を下方修正し、減収減益になる見通しだ。前期(15年12月期)は各社とも売上高、利益で過去最高を更新しただけに、この1年でタイヤを取り巻く環境は急変しつつある。タイヤ4社のトップは、決算説明会で通期見通しを次のように説明した。
 
 

ブリヂストンは鉱山用タイヤの在庫調整長引く

 16年通期の事業環境見通しは、北米のトラック・バス用タイヤの販売減少が継続するほか、「建設・鉱山車両用タイヤがお客の鉱山会社の在庫調整期間が長引いており、下期を通して需要が反転する兆しがみえない」(江藤彰洋執行役副社長CFO・財務担当)。

 年間の想定為替レートは1ドル=105円、1ユーロ=117円と円高に振れるとみており、円高の影響は870億円の営業減益要因と見込む。

 原材料の下期見立ては天然ゴム価格が上期の水準よりやや高くなるが、その他材料は低位で推移し、全体では変わらない。原材料価格と連動して売値MIXも下がるため、その影響は数量他を含めて552億円の営業減益につながるとみる。

 こうした状況を勘案し、売上高は従来予想から4100億円引き下げて3兆3400億円(前期比11.9%減)、営業利益は670億円引き下げて4530億円(同12.4%減)、さらに経常利益、当期純利益も減益を見込む。

 「売上高、営業利益だけをみると、リーマン・ショックの影響を一番受けた2009年度決算以来、7期ぶりに減収減益となる見込み」(同)としている。
 
 

住友ゴム工業は価格要因で229億円の減益予想

 「急激な円高進行を踏まえ、今年5月に公表した業績予想から変化している」(池田育嗣社長)として、通期業績見通しを下方修正した。売上高は前期比4.6%減の8100億円、営業利益は同9.2%減の700億円と、それぞれ500億円、100億円引き下げた。

 原材料は通期で264億円の営業増益要因となるが、「原材料益が大きく出ると、スライド制によって販売価格もある程度還元せざるを得ない」(同)として、価格要因で229億円の減益になるとしている。

 通期の想定為替レートは前期の1ドル=121円、1ユーロ=134円から今期はそれぞれ106円、117円とさらに円高に振れるとし、為替要因で106億円の営業減益が見込まれる。

 「円高の影響は今後も大きくなり、1ドル=100円に近づいているが、それに負けないように売る力をつけなければならない」(同)
 
 

横浜ゴムは円高やロシア情勢の悪化を懸念

 通期業績予想は、前回公表予想に対して為替レートが円高で推移していることや、タイヤ事業でロシア、中南米、北米を中心に販売が前回予想を下回る見込みであることなどから修正を行った。

 売上高は520億円下方修正し、前期比4.7%減の6000億円、営業利益は170億円下方修正し、同30.3%減の380億円と予想。営業減益要因は、粗利為替差で172億円、価格で125億円、買収関連費用で92億円を見込む。

 今後の懸念材料について、野地彦旬社長は「為替がこれだけ動くと痛い。さらにロシアも(経済情勢の悪化に伴い、取引先の信用不安などで)厳しい状況にあるので、今はじっと我慢している」と話す。
 
 

東洋ゴム工業は北米工場の追加増強、16年末完了へ

 「中国をはじめとする新興国で引き続き成長が鈍化するほか、堅調な北米市場も含めて急激な為替円高の進行が収益に大きく影響してくる」(清水隆史社長)として、通期業績予想は従来予想に対して売上高は100億円引き下げて3950億円(前期比3.1%減)、当期純利益は60億円引き下げて180億円(975.3%増)を見込む。

 清水社長は北米市場の見通しについて、「ボリュームゾーンは価格競争が激しいが、当社はそうした動きに影響を受けないピックアップトラックなどに向けた大口径タイヤが中心なので、安定的な販売を続けている。そのため、北米工場の第4期追加能力増強が16年末に完了する予定で、今後はLT、SUV用タイヤの増産に拍車がかかる」と説明。

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