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収益は為替の影響を受ける

ニッタ17年3月期、売上高が過去最高に

タイヤ 2017-05-19

 ニッタの17年3月期連結業績は、売上高が643億5,900万円で前期比1.5%増の過去最高を達成した。一方、営業利益では42億8,800万円で同6.7%減、経常利益は96億6,000万円で同8.3%減、当期純利益が78億8,600万円で同7.1%減と増収減益決算となった。

 5月12日大阪本社で会見した新田元庸社長は「売上高、利益とも円高の影響を受け、これを加味すると過去最高を示した売上高でも発表分のおよそ36億円(前年比ベースで7%)増、利益面も前年横ばい水準の業績だった」と振り返った。

 主な需要先の動向は海外では自動車や物流業界向けが堅調に推移し、国内も物流業界向けと半導体製造装置向けが堅調で売り上げに貢献した。

 配当は17年度同様に年間52円としている。

 主な事業別動向は、ベルト・ゴム製品事業の売上高は244億2,300万円、同0.7%減。営業利益は20億9,600万円、同3.1%減に。

 国内においては物流向けや、紙工・段ボール業界向けの需要が堅調に推移。海外では、欧米の物流業界向け需要が比較的堅調に推移した。ゴム製品は、工作機業界向けのシール製品に持ち直しの動きが見え始めたもの、公共事業関係は低調だった。

 ホース・チューブ製品事業の売上高は284億8,500万円、同2.4%増となった。営業利益は、先行コストや為替の影響もあり25 億2200万円と同12.4%減となった。

 国内では、自動車業界や半導体製造装置向けチューブ製品や特殊車両向けのホース製品が堅調だったのに加え、海外もメキシコ、中国、韓国でチューブ製品が堅調に推移。また、建設機械向けホース製品も回復してきた。

 その他産業用製品事業の売上高は79億1,800万円、同4.0%増となった。営業利益の損失は、2億3,400万円と前年度比1,400万円の改善となった。

 空調製品においては、国内のメンテナンス事業が引き続き堅調だった。また、台湾でも設備投資需要が底堅く推移した。感温性粘着テープは、電子部材向け用途の需要が堅調に推移した。

 今期連結業績は、売上高680億円、前年比5.7%増、損益面では、設備投資増による減価償却費の増加および先行投資コストはあるものの、営業利益46億円、同7.3%増、経常利益101億円、同4.6%増、当期純利益は82億円、同4.0%増の増収増益を予想。

 「売上高、営業利益ともに過去最高の更新を目指したい。為替についても前期は109円を見込んだが、今期は110円として、これで推移してもらえれば数値目標は達成できると期待している。配当金についても、増収増益を予想しており、中間配当金については1株当たり27円、期末配当金につきましても1株当たり27円とし、年間で1株当たり2円増配の54円を予定する。なお、売上高680億円には、先般100%子会社化した浪華ゴム工業分として15億円ほど計上される」(同)見込みだ。

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