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清水隆史TOYO TIRE社長&CEOによるプレゼンテーション

TOYO TIRE、オートサロンでフラッグシップ、サステナブルを訴求

タイヤ 2024-01-22

 東京オートサロンが1月12~14日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催された。

 初日の12日にはTOYO TIRESブースで、清水隆史TOYO TIRE社長&CEOによるプレゼンテーション、モータージャーナリスト竹岡圭氏と吉川誠商品企画本部グローバルマーケティング部長による展示タイヤの紹介等が行われた。

プレゼンする清水社長&CEO


 冒頭のプレゼンテーションで清水社長&CEOは「TOYO TIRESといえば『他とは違う味があるよね』と共感してもらえるよう常日頃からモノづくりを進めている。車の走りを支えるタイヤ、その性能への挑戦、製品そのものの表情、デザインへのこだわり、そして、そのタイヤを装着して車に乗るドライバーの皆さんの心を駆り立てるもの。これらがTOYO TIRESが追い求めているものであり、皆さんと共有したいマインドだ。

 SUV/ピックアップトラック向けの『OPEN COUNTRY』、グローバルフラッグシップである『PROXES』の2つのブランドから、皆さんにはTOYO TIRESの世界観を感じ取ってもらえていると自負している。そして今回、ここに加えたのが『サステナブル』だ。タイヤメーカーとして持続可能なモビリティ社会を見据え、大地に接する自動車用タイヤをサステナブルな商品にしていくための取り組みも進めており、使用原材料の90%にサステナブル素材を用いたコンセプトタイヤを制作した。

 今後、カーボンニュートラル社会に向け、EV化も加速していく。電動化に伴い荷重は増し、トルクは高まる。EV車両を支えるために、タイヤが大口径化することは一つの道筋になる。北米を中心に大口径タイヤでプレゼンスを有する当社には、アドバンテージがある。求められる性能を高次元で両立するという、さらに難度の高い課題も当社の技術をもって一つひとつクリアし、EV時代のモビリティを支えていく。

 TOYO TIRESは、2024年もマーケットの半歩先、一歩先を捉え、タイムリーに魅力的な商品を提供していく。持続可能なモビリティ社会への貢献、走りの楽しさ、豊かな車文化の活性に寄与することで、使命を果たしていきたい」と語った。

契約チーム監督、ドライバーとの記念撮影


 ブースでは、同社のSUV向けタイヤブランドの代名詞である「OPEN COUNTRY」シリーズとグローバルフラッグシップブランド「PROXES」シリーズを中心に展示。使用原材料の90%にサステナブル素材を用いたコンセプトタイヤも披露した。

 また、技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合「HySE」が製作し、「ダカールラリー2024」の新カテゴリーであるMission 1000に参加した「HySE-X1」(OPEN COUNTRY S×S装着)、マッドマイクのD1GP参戦にあたり作り上げた世界に1台のマシン「FURSTY(ファースティー、マツダRX-3)」(PROXES R888R装着)、「TOYO TIRES with Ring Racing TOYOTA GR Supra GT4 EVO」(PROXES SLICK装着)など、同社製タイヤを装着した車両を多数展示した。

 「HySE-X1」に装着したOPEN COUNTRY S×Sについて吉川グローバルマーケティング部長は「レース用タイヤであるOPEN COUNTRY M/T-Rのデザインをそのままに、小型化した特別な仕様のタイヤだ。過酷なオフロードレース等にも対応したタイヤで、岩場やぬかるみ、凹凸のある場でもしっかりと走ることのできる高いトラクション性能を有しており、HySEの挑戦をサポートしている」と語った。

使用原材料の90%にサステナブル素材用いたコンセプトタイヤ参考出品

サステナブル原材料比率90%のコンセプトタイヤを披露


 TOYO TIREは、使用原材料の90%にサステナブル素材を用いたコンセプトタイヤを、1月12~14日に幕張メッセで開催の東京オートサロン2024に参考出品した。

 サステナブル素材を使用して開発した同社製タイヤにおける、過去最高の使用比率は50%。今回参考出品したコンセプトタイヤは、これを飛躍的にしのぐ開発内容となっている。

 サステナブル素材は、天然由来などの再生が可能な「リニューアブル素材」、すでに何らかのかたちで使用したものを再利用した「リサイクル素材」に大別できる。

 今回のコンセプトタイヤには、リニューアブル素材としてバイオマス由来ブタジエンゴム、バイオマス由来スチレンブタジエンゴム、籾殻灰シリカ、植物由来オイル、バイオ由来ポリエステル繊維などを採用(全体の約60%)。リサイクル素材としては、富山大学との共同開発で成功したCO2由来のブタジエンゴムをはじめ、再生カーボンブラック、再生ビードワイヤー、再生スチールコードなどを使用(全体の約30%)した。

 同社では、製品におけるサステナブル素材使用比率を2030年時点で40%、2050年には100%を実現するという目標を掲げており、同コンセプトタイヤはその布石となる開発品だ。

 同タイヤは、タイヤのライフサイクル全体における温室効果ガスの排出量低減やEVの航続距離向上に大きく寄与する「転がり抵抗係数」を極小化し、タイヤラベリング制度で転がり抵抗値のレベル最上位である「AAA」相当を実現していることも特長の一つ。今後、実用化に向けたさらなる技術革新を進め、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献する製品の早期開発、市場供給に努めていく。

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