ナノテラス活用し研究開発を加速
住友ゴム工業、仙台に新たな研究拠点開設
タイヤ 2023-11-27
住友ゴム工業は11月17日、宮城県仙台市に新たな研究拠点「住友ゴム イノベーションベース・仙台」を開設すると発表した。2024年度に稼働する次世代放射光施設「ナノテラス」の利活用の拠点とする。2024年の開設を予定しており、研究員4~5人を入れ替えながら派遣する。研究員は、将来的に増員も視野に入れる。「学術と産業のイノベーションハブとなるような拠点にしたい。分野、業界を超えた連携によって、モノづくりを加速させていく」(朝倉健研究開発本部長)。
「住友ゴム イノベーションベース・仙台」は、NTT都市開発が整備した「アーバンネット仙台中央ビル」に入居する。仙台市は、ナノテラスの利活用促進とそれを核としたリサーチコンプレックスの形成推進に向け全国や地場の企業等に対し、研究開発施設の立地・集積の促進と普及啓発に取り組んでいる。同ビルはナノテラスとの連携を前提に建設されており、ビームラインごとのデータ分析室だけでなくレンタルラボ、仮眠室も備える。ナノテラスとの間では専用データ回線も整備される。研究拠点として同ビルに入居するのは、住友ゴム工業が第1号。
郡和子仙台市長も出席し同日開催された立地表明式で、住友ゴム工業の村岡清繁取締役常務執行役員は「2024年度から稼働するナノテラスを研究開発に利用し、その効果を最大化するため仙台市に拠点を開設することにした。今回、当社はナノテラスという新しい武器を手に入れることができた。ナノテラスを活用し、研究開発をさらに加速していく。今回のような産学官の協力が、先端研究開発の成功のカギと考えている。ナノテラスを中核としたリサーチコンプレックスが連携を加速させることで、いま直面している社会課題や新たな価値創出に必ず繋がると期待している」と語った。
住友ゴム工業は、放射光を活用した研究開発を促進している。2001年から活用している大型放射光施設「SPring―8」(兵庫県佐用町)と、今回の次世代放射光施設「ナノテラス」との成果を組み合わせることで、「これまで見えなかった世界感が出てくる」(岸本浩通研究開発本部分析センターセンター長)としている。
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