高次元で両立した氷上、雪上性能がもたらすのは冬道での安心感
横浜ゴムのiceGUARD 7、「氷に効く」、「雪に効く」の最適解がここにある
タイヤ 2023-09-25
冬道を走るドライバーにとって、氷や雪の上でしっかりと曲がり、しっかりと止まることは、スタッドレスタイヤを選択する際に最も重視する点だろう。一方で、氷上性能、雪上性能と呼ばれる、それら性能は相反する性能のため、高次元で両立させることは決して容易ではない。横浜ゴムは今年2月、自社の北海道タイヤテストセンター(北海道旭川市)で乗用車用スタッドレスタイヤ「iceGUARD 7(アイスガード7)」の試乗会を開催した。「よりちゃんと曲がる、よりちゃんと止まる。」をコンセプトとした試乗会は、「氷に効く」接地技術と「雪に効く」溝エッジ技術の最適解の検証がテーマ。つまり、相反する性能である氷上性能と雪上性能の高次元での両立だ。試乗会用に特別に作られたタイヤと比較することで、アイスガード7の弾き出した最適解が見えた。
試乗会用に作られたタイヤとの比較でiceGUARD 7の高い性能を感じる
試乗会ではアイスガード7と特別に作られた氷上特化タイヤ、スリックタイヤを比較した。いずれのタイヤもコンパウンドにはアイスガード7専用の「ウルトラ吸水ゴム」を用いているが、氷上特化タイヤは主溝(縦溝)とサイプのみで構成されたトレッドパターンが施してあり、スリックタイヤには溝がない。屋内氷盤旋回試験場(今年1月から稼働)での氷上旋回、屋内氷盤試験場(2018年1月稼働)での氷上制動、総合圧雪試験路での雪上旋回、圧雪試験路での雪上制動で比較した。
氷上性能に必要とされるのが、凝着摩擦力とエッジ効果だ。凝着摩擦力とはゴムの表面が路面と密着する力で、接地面積が大きいほどその力が大きくなる。一方のエッジ効果は溝やサイプのエッジが氷や雪を引っかく力で、トータルエッジ量が多いほど効果が大きくなる。
氷上制動、旋回において最も厳しかったのはスリックタイヤ。比較したタイヤの中で、接地面積こそ最大であるものの、溝がなくエッジ効果を発現できない。想像よりは走行でき、そこにウルトラ吸水ゴムの力は感じるが、他のタイヤに比べ曲がる、止まることに関して大きく劣る。エッジ効果の重要性が分かる。
アイスガード7に比べ接地面積が大きく、トータルエッジ量も増量してある氷上特化タイヤは、特化と謳うだけあり制動距離はアイスガード7に比べ短い(時速30キロからのフルブレーキで2メートルほどの差)。ただ旋回に関しては、実際にハンドルを握り「確かに違う」と明確な違いが分かるほどの差は正直感じなかった。厳密には差があるはずだが、氷上に特化するため特別に作られたタイヤとアイスガード7はいずれも旋回時に思い通りのラインをトレースでき、旋回中は高いレベルの安心感があった。
一方、雪上性能には凝着摩擦力とエッジ効果に加え、雪柱せん断力が必要とされる。雪柱せん断力とは溝で踏み固めた雪の柱を排出する時の力で、溝面積が大きいほど雪柱せん断力は大きくなる。
雪上制動、旋回においても、溝のないスリックタイヤが最も厳しかったのは言うまでもない。エッジ効果、雪柱せん断力のいずれも発揮できないためだ。記者個人が、氷上でそれほど大きな差を感じなかったアイスガード7と氷上特化タイヤは、雪上においてその差が明確だった。アイスガード7はハンドル操作のイメージ通りに曲がり、時速50キロからの制動の際もイメージ通りに止まる。パイロンをジグザグにスラロームした旋回では、ハンドル操作に対しタイヤが素直に反応し曲がるため、ドライバーには安心感と余裕が生まれる。氷上特化タイヤは旋回時のハンドル操作に対してタイヤが遅れて反応し、ハンドル角もより大きく切らなければ曲がらない。アイスガード7に比べ加速時の駆動力も劣り、制動距離も2メートルほど伸びる。氷上特化タイヤはサブの溝がなく、雪柱せん断力が低い。それがアイスガード7との雪上における性能差に繋がっている。
氷上と雪上の旋回、制動で、アイスガード7と特別に作られたタイヤを比較した試乗会。検証テーマだった「氷に効く」と「雪に効く」の最適解が、アイスガード7では体現されていた。氷上特化と比べそれほど遜色なく感じた氷上での走りに加え、雪上でのパフォーマンスも非常に高く、まさに高次元の両立だった。
スタッドレスタイヤには、冬の様々な路面を走ることが求められる。氷上性能と雪上性能を非常に高いレベルで両立したアイスガード7は、そんな冬道での絶対的な安心感をドライバーに届けてくれると感じた。
YOKOHAMAスタッドレスタイヤ史上最大の接地面積と溝エッジ量を実現
アイスガード7は、「氷に効く=氷上性能」、「雪に効く=雪上性能」、「永く効く=性能持続性」という特徴を兼ね備えた乗用車用スタッドレスタイヤ。横浜ゴムの新たな開発アプローチである「接地とエッジの両立技術」によって、同社スタッドレスタイヤ史上最大の接地面積と溝エッジ量を実現している。
同社従来品であるアイスガード6との比較では、氷上制動性能が14%、氷上旋回性能が7%、氷上加速性能が15%向上。アイスガードが一貫して追求してきた「氷に効く」をさらに向上させた。それとともに雪上においても雪上制動性能が3%、雪上旋回性能が同等以上、雪上加速性能が3%向上しており、「雪に効く」もレベルアップ。氷上性能と雪上性能を高次元で両立している。
トレッドパターンにおいては「マルチベルトブロックEX」、「コレクティブビッグブロックEX」等が接地面積の拡大とブロック剛性の向上に寄与。氷上性能を高めている。また、「マルチダイアゴナルグルーブ」、「トリプルライトニンググルーブ」が溝エッジ量を増大させ、優れた雪上性能を発揮する。
コンパウンドは、アイスガード7専用の「ウルトラ吸水ゴム」を開発。これまで実績のある「新マイクロ吸水バルーン」に加え、新たに採用した「吸水スーパーゲル」が氷上で滑る原因となる氷表面の水膜を素早く吸水する。また、新採用の「ホワイトポリマーⅡ」によりシリカを均一に分散させることで、ゴムがしなやかになり氷へ密着。加えて、新採用の「マイクロエッジスティック」が氷や雪を噛むエッジ効果を発揮する。
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