2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権に
横浜ゴム、サステナブル素材を33%活用したレーシングタイヤを供給
タイヤ 2022-12-14
横浜ゴムは、2023年から「全日本スーパーフォーミュラ選手権」にサステナブル素材を活用したADVANレーシングタイヤをコントロールタイヤとして供給する。ドライ用はすでに開発が完了し、ウェット用も2023年からの供給を目指し開発を継続している。
供給するドライ用タイヤは天然ゴム、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど各種自然由来の配合剤を活用するとともに、リサイクル鉄や廃タイヤから再生したリサイクルゴム、さらにマスバランス方式の合成ゴムを採用することで原材料全体の約33%をサステナブル素材としながら、2022年の現行タイヤと同等の性能を維持している。
サステナブル素材を活用したレーシングタイヤの供給は、スーパーフォーミュラを統括する日本レースプロモーションが2021年10月に発表したプロジェクト「SUPER FORMULA NEXT50」に賛同して実施するもの。
同プロジェクトではSDGsやカーボンニュートラルなど自動車、モータースポーツ業界を取り巻く環境変化に対応するため、サステナブルなモータースポーツ業界づくりを目的としてさまざまな企業とともに推進している。
横浜ゴムはレーシングタイヤにおいて、走行性能を損なわずにサステナブル素材を採用していくことを目標とし、今シーズンのスーパーフォーミュラ各大会の前後に設定された次期フォーミュラカーの開発テストに合わせてタイヤテストを実施。2023年以降もさらなるサステナブル原料比率の引き上げに向け、タイヤ開発を継続していく。
■サステナブル素材を活用したADVANレーシングタイヤの開発経緯
◇第1回:4月6~7日(富士スピードウェイ)=タイヤの骨格を形成するケーシングおよびコンパウンドにおいて、サステナブル素材比率の異なる4種類ずつのタイヤをテスト。サステナブル素材比率を上げたタイヤでも2022年シーズンで使用されている現行タイヤと同等程度の性能を確認した。
◇第2回:4月25~26日(鈴鹿サーキット)=サステナブル素材比率の異なる8種類のテストタイヤと、2022 年シーズンで使用されている現行タイヤとの比較テストを実施。テクニカルな高速コーナーを有しタイヤへの負荷が特に高い本コースでのロング走行において、次期フォーミュラカーの新たな空力とのマッチングと耐久性を確認した。
◇第3回:5月18~19日(オートポリス)=これまでのテストで評価の良かったケーシングとコンパウンドの組み合わせで試作したタイヤを前回と異なるコース特性で評価したほか、コンパウンドは今回までの2仕様に加え、改良版3仕様を新たに評価。予定していたテストメニューを全て実施し十分なデータを得たほか、ロングランテストにおいても実戦に近い距離の走行を実施した。
◇第4回:6月20~21日(スポーツランドSUGO)=前回のテスト結果から絞り込んだケーシング仕様およびコンパウンド仕様をテストし、異なるサーキットでのフィーリングの違いを再確認。仕様の絞り込みが順調に進んでいることからロングランテストを重点的に実施し、高温環境下での摩耗評価を実施した。
◇第5回:7月18~19日(富士スピードウェイ)=雨天となった2日目に初めてウェット路面でのテストを実施。午前は雨量の少ないダンプ路面、午後は雨量の多いウェット路面と、異なる条件下での比較をした上でロングランテストも行い、貴重なウェットコンディションでのデータを得た。
◇第6回:10月26~27日(鈴鹿サーキット)=来シーズンから導入するカーボンニュートラルに対応し、フルアップデートした新型車両「SF23」にこれまでの結果から絞り込んだケーシングテスト仕様およびコンパウンドテスト仕様を持ち込んで臨んだ。テストドライバーからは「スーパーフォーミュラ用のコントロールタイヤとして十分な性能を持っている」との評価を得て、新しいドライ用タイヤの最終仕様が決定した。
◇第7回:11月21~22日(モビリティリゾートもてぎ)=初日はウェット用タイヤの仕様の決定に向けて散水テストを実施。7月に実施した富士スピードウェイで使用したタイヤとその結果を踏まえて準備した改良品の3仕様を持ち込み、2022 年シーズンで使用されている現行タイヤとの比較を実施。今後、2023年向けウェット用タイヤの仕様開発を更に煮詰めていく。2日目はドライ用タイヤの更なるサステナブル原料比率の引き上げに向けた先行開発品の評価も実施した。
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