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増販も原材料価格高騰響く

住友ゴム工業、今期は増収減益見込む

タイヤ 2017-02-15

説明する池田社長


 住友ゴム工業は今期、増収減益を見込んでいる。

 同社が2月14日に発表した17年12月期(IFRS)の業績見通しは、売上収益が8,500億円で前期比12%増、事業利益が500億円で同33%減、営業利益が500億円で同32%減、当期利益が330億円で同20%減。中近東を除く地域で平均4%増販していくことにより、売上収益は増加する見通し。「手応えもある」(池田育嗣社長)という。

 一方、利益については原材料価格高騰が大きな減益要因となる。「天然ゴムなどが足元の価格で第4四半期まで続くと想定した」(同)場合、事業利益段階で年間551億円(天然ゴム▲249億円、石油系▲291億円、他▲11億円)の減益要因となる見通しだ。「原材料高騰のスピードの方が価格是正のスピードよりも速く、原材料スライドを採用している新車用タイヤについても、半年遅れの価格のためギャップが生じる」(同)として、価格での増益は241億円にとどまると見込んでいる。

 16年12月期業績(IFRS)は、売上収益が7,567億円で前期比5%減、事業収益が749億円で同5%減、営業利益が733億円で同18%減、当期利益が414億円で同43%減だった。「日本基準でみると、円高の影響を除き増収増益だった。まずまずだったのではないか」(池田育嗣社長)。当期利益は前期に比べ大きく落ち込んでいるが、これはグッドイヤー社とのアライアンス解消に伴う影響について日本基準からIFRSに基準変更したことに伴う差異。

 事業利益は、前期に比べ40億円減少した。原材料は年度を通しては低位で推移したため、265億円(天然ゴム69億円、石油系191億円、他5億円)の増益要因となったが、価格が207億円、為替が87億円の減益要因となった。価格は、原材料価格低下や競争激化により海外市場で価格改定を行ったことが主な理由。

 事業別の業績は、タイヤ事業が売上収益6,484億円で同5%減、事業利益679億円で同8%減、スポーツ事業が売上収益728億円で同6%減、事業利益43億円で同63%増、産業品他事業は売上収益355億円で同8%減、事業収益27億円で同22%増だった。

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