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【トピック】

令和ゆかりの植物を守り、育てる住友ゴム工業

タイヤ 2019-10-03

加古川工場で育てるフジバカマ


 新元号「令和」の出典元となった万葉集の歌には、2種の花が登場する。そのうちの1つがゆかりの地と言われる大宰府とともに有名になった「梅」、そしてもう1つが「蘭」だ。

 ただ、この「蘭」、一般的に知られている蘭とは異なり、キク科ヒヨドリバナ属の「フジバカマ」であると言われている。フジバカマは万葉集だけでなく、古今和歌集や源氏物語、徒然草など多くの古典に登場するが、現在は環境省の準絶滅危惧種に指定されている。希少な植物だ。

 10月2日、住友ゴム工業の加古川工場(兵庫県加古川市)、加古川河川敷で、フジバカマの観察会が開催された。住友ゴム工業はCSR活動の一環として、オオムラサキやホトケドジョウ、ヒゴタイ、カワバタモロコなど希少な生物、植物を育んでおり、フジバカマもそのうちの1つ。2011年に、兵庫県立大学の服部保名誉教授から40株を譲り受け、保全活動を開始した。14年には約200株まで増株。服部名誉教授の指導のもと、国土交通省が植栽地整備を行った加古川河川敷への移植も実施した。以降、国土交通省と連携しながら環境整備、観察を続け、今年も30株を移植した。

 観察会に参加した服部名誉教授によると、同じく河川敷に生息するススキやヨシに比べ、フジバカマは生命力が強くないという。そのため、河川敷での群生には、どうしても整備が必要になる。住友ゴム工業では、日照に影響する背丈の高い草を刈るなど国土交通省と協力しながら定期的に整備を実施。希少種保護に力を注いでいる。

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