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19年12月期第2四半期業績

住友ゴム工業、海外新車用・市販用堅調でタイヤは1.8%増収

タイヤ 2019-08-19

 住友ゴム工業が8月7日に発表した19年12月期第2四半期(1-6月)業績(IFRS)は、売上収益が4,292億7,900万円で前年同期比0.9%増、事業利益が164億8,200万円で同38.7%減、純利益が63億2,200万円で同55.5%減と増収減益となった。

 「天然ゴム価格相場は低位安定的に推移したが、石油系原材料価格が上昇し、また為替については、ユーロおよび新興国通貨が期中に円高に進行したことが主力のタイヤ事業の減益要因となった。一方、販売環境については、海外市販市場における競合他社との競争の激化は継続しているが、概ね想定の範囲内で推移した」(山本悟社長)

 事業利益段階での増減要因をみると、増益要因が数量・構成ほか2億円。減益要因が原材料▲5億円(天然ゴム+17億円、石油系▲18億円、他▲4億円)、価格は天然ゴムの価格下落による原材料価格連動性による値下げで▲16億円、新興国での人件費高騰で直接原価▲3億円、固定費は北米、南アフリカ、トルコで生産能力拡大のため▲17億円、為替▲34億円、経費▲9億円、スポーツ▲14億円、産業用品▲9億円で、差し引き104億円の減益となった。

 セグメント別の経営成績を見ると、主力のタイヤ事業の売上収益は3,672億7,700万円(前年同期比1.8%増)、事業利益は125億400万円(同39.5%減)となった。

 国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや低燃費タイヤを中心とする高付加価値商品の拡販により販売数量が増加し、売上収益は前年同期を上回った。国内市販用タイヤは、ダンロップブランドの低燃費タイヤを中心とした高付加価値商品の拡販を推進したが、当期は年初の冬タイヤの販売が低調に推移し、販売数量が前年同期を下回ったため、売上収益は前年同期を下回った。

 一方、海外新車用タイヤは、欧州、北米、新興国での納入拡大などにより、売上収益は前年同期を上回った。海外市販用タイヤは、中国の景気減速の影響はあったが、欧州ではファルケンブランドの販売を順調に伸ばし、また、北米でも4WD・SUV用タイヤ「WILDPEAK」などファルケンブランドの販売を伸ばした。

 スポーツ事業の売上収益は429億3,500万円(前年同期比2.0%減)、事業利益は280億200万円(同32.7%減)となった。

 国内ゴルフ用品ではゴルフボールNEW「スリクソン Z-STARシリーズ」やゴルフクラブ「ゼクシオ クロス アイアン」を発売し、好調な滑り出しを見せたが、主力のゴルフクラブ「ゼクシオ テン」が、発売2年目に入り、売上収益は前年同期を下回った。海外ゴルフ用品の売上収益は北米中心に前年同期を上回った。テニス用品は国内市況が前年を下回る状況で、売上収益は前年同期を下回った。

 ウェルネス事業は、前年に引き続き会員数が堅調に推移し、コンパクトジム「ジムスタイル」の新規出店もあり、売上収益は前年同期を上回った。

 産業品他事業の売上収益は190億6,700万円(同8.1%減)、事業利益は11億6,600円(同42.9%減)となった。

 医療用精密ゴム部品や制振事業が堅調に推移したものの、OA機器用精密ゴム部品では主要OA機器メーカーのプリンター・コピー機の生産減少、インフラ系商材における体育施設の受注減もあり、減収となった。

 19年12月期通期業績予想は、売上収益は9,200億円(前期比2.9%増)、事業利益は560億円(同7.7%減)、純利益は340億円(同6.2%減)と、第1四半期決算発表時から変更してない。

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