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【特集】リトレッド(更生)タイヤ

髙瀬商会、小型建機向けなど増える

タイヤ 2016-10-14

髙瀬吉洋社長

髙瀬吉洋社長


 髙瀬商会(本社・新潟県糸魚川市寺町、髙瀬吉洋社長)は、独立系のリトレッドタイヤ大手で、製造面では東洋ゴム工業との折半出資会社トーヨーリトレッドを持ち、販売面では北海道から九州までネットワークを構築し、売り上げを伸ばしている。髙瀬社長はリトレッドタイヤ販売の現状と見通しを次のように話す。

 ■15年のリトレッド市況
 業界全体でみると、15年は久しぶりにリトレッドタイヤの出荷量が前年実績を割った。当社の売り上げも、業界ほどの落ち込みにはならなかったが、ほぼ前年比横ばいで推移した。

 リトレッドが不振だった理由として暖冬の影響があげられるが、昨年はトラック・バス用(TB)の新品タイヤ含めて総需要が落ち込んだことも響いた。リトレッドは台タイヤの確保が前提にあるが、全体に公共事業の縮小が続き、それがTBタイヤの需要に影響を与えたといえる。

 ■足元の状況
 昨年の市況低迷もあって、今年前半(1―6月)は工場の生産をやや控えたが、売り上げは昨年よりもアップしており、1―8月は前年同期比105%で推移している。例年、10―12月に販売のピークを迎えるが、今年は冬タイヤの販売数量見込みが好転しそうなので、夏以降は増産体制を敷いている。

 ■品種構成
 リトレッドタイヤの90%はTBが占めるが、以前は台タイヤ回収において「11R22.5」といった特定サイズに偏っていた。現在はリースで多い小型建機や集配車、小型トラックなどに向けたリトレッドの伸びが高くなっている。

 一方、TBタイヤの「11R」にしても最近は偏平チューブレスにメインが移りつつあり、こうしたサイズ構成に対応できないとジリ貧になってしまう。

 ■販売戦略
 リトレッドタイヤの品種構成が多様化しているため、それに応えられる生産・販売体制が求められる。品種が増えると工場は大変だが、当社では多様なサイズパターンに伴う生産・販売ミックスに応える体制の構築に戦略的に取り組んでいる。

 ここにきて小型トラックや小型建機向けのリトレッド比率が高くなってきており、さらに営業活動を強化した結果、新規顧客開拓につながるなどの効果が出始めている。

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