【特集】リトレッド(更生)タイヤ
トーヨーリトレッド、2回貼り替えで付加価値を
タイヤ 2016-10-14
東洋ゴム工業の持分法適用会社で、リトレッドタイヤを製造・販売するトーヨーリトレッド(本社・新潟県糸魚川市、資本金1億円)の後藤高根社長は、同社の現状やリトレッド業界の動向を次のように語った。
■工場の生産概況
当社は本社のある糸魚川と北海道・小樽にリトレッド工場を持つ。主力工場である糸魚川は80%がトラック・バス用、17―18%がライトトラック用、残りが産業車両用(リフト、建機など)となっている。生産方式は、糸魚川工場がリモールド(ホット式)70%強、プレキュア(コールド式)30%弱という比率で、小樽工場はリモールドが98%を占める。
■足元の稼働状況
冬タイヤへの切り替えが早い北海道では、12月半ばまでフル生産が続くため、8月のお盆明けあたりから2直体制となっている。
糸魚川工場は生産キャパシティが大きいので1直だが、加硫工程、特にリモールドの加硫工程は年間を通して2直体制を敷いている。糸魚川も生産はフルで動いており、この状況が11月一杯まで続く見通しだ。
■設備投資の状況
糸魚川工場では、成型工程前までリモールド、プレキュアの方式に関係なく台タイヤが混在して流れる。台タイヤを洗浄後、目視による検査と並行して、タイヤの内部損傷検査を行うシアロ検査機により30枚の画像を撮り、外観だけでは判断できないタイヤ内部の構造・損傷状態をチェックする。リトレッドタイヤの品質安定を図り、ユーザーから信頼を得るためには徹底した検査が必要であり、そのため従来よりも検査時間が長くなっている。また、そのための設備の充実が欠かせず、検査工程の速度を上げるために機械設備の台数を増やすなどしている。
■付加価値を上げる
新品タイヤの価格競争が厳しくなっており、リトレッドタイヤもそれに引っ張られてしまうと商売が成り立たなくなってしまう懸念がある。運送会社、バス会社等のお客様からは求められる性能はより高く、価格はより安くと、品質の向上とコストダウン要求が年々厳しくなっている。
当社では、リモールド方式でトレッドゴムの2回貼り替えにも取り組んでいる。当初は台タイヤが足りない際に、2回やってみようと挑戦した。今は2回貼り替えても問題がなければ、そこにリトレッドタイヤの大きな価値が生まれるとみて、要望があれば2回貼り替えを行っている。
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