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【取材メモ】

愛のカタチ

タイヤ 2018-03-22

 ○…先日、あるタイヤメーカーの担当者と話していると、その人が「トラック・バス(TB)用タイヤは面白いんですよ」と言う。「なぜですか?」と聞くと、ユーザーからの反応が直接あるためらしい。

 ○…「ものすごく怒られる時もあるし、取引を切られることもあるけど、ユーザーとしての意見を直接聞くことができるというのは、非常にありがたく、やりがいがある。もちろん、良いタイヤや良いサービスを提供できた場合にはきちんと評価され、他社から乗り換えてもらえることもある」

 ○…運送会社、バス会社に採用されるということは、“運転のプロ”に認められるということだ。「TB用タイヤにとって、ロングセラーというのは褒め言葉の一つ」と、件の担当者。確かに発表されるTB用タイヤの新製品は、“10年ぶり”など乗用車用タイヤに比べ新製品サイクルが長い。「革新的な技術を搭載できた時が、新製品のタイミング」だそうだ。

 ○…長く愛用されるということは担当者にとって嬉しい一方で、こんなことも。「愛用いただいている運転手の方に、良い新製品ができました、とうかがっても、『俺は今使ってるタイヤが好きなんだ!』と取り合ってもらえないことが…。そういう場合ですか、もちろん金型は工場に残します。工場に行くとですね、『おお、懐かしい金型』というのを見かけることがあって。生産効率云々という考えもあるでしょうが、愛されているカタチがあるという証拠ですね」

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