超高反発弾性発泡素材
イノアック、「ターボフレックスⅡ」がシューズ用途で採用
工業用品 2018-03-22
イノアックコーポレーションが開発した軽量・高反発靴用部材「TURBOFLEX Ⅱ」(ターボフレックスⅡ)がスポーツシューズや紳士革靴などに採用が進んでいる。
ターボフレックスⅡは、特殊エラストマー材を超臨界発泡成形して得られる超高反発弾性発泡素材。イノアックが2013年秋、シューズメーカーから超高反発部材の開発要請を受けてターボフレックスを独自開発した。その後改良を重ね、材料開発や特殊発泡技術、成形技術等のバランスを最大化した「ターボフレックスⅡ」を開発し、15年3月から用途開発を進めてきた。
ターボフレックスⅡは、超臨界性不活性ガスを熱可塑性エラストマーに混ぜて発泡する。有害なガスを発生する恐れのある化学発泡剤を一切使用しない、環境にやさしい“超臨界射出発泡成形”によって製造される。これによりターボフレックスⅡの断面構造は、スキン層とスキン層の間に微細発泡層ができるため、高反発弾性とともに衝撃吸収性、軽量といった特性を備える。
イノアックではその後、シューズ用機能素材などを専門に扱う商社(岡畑興産)と用途開拓を進めてきた。その結果、現在ではデサントジャパンが「デサント」ブランドのバレーボールシューズ「SKY MID(スカイ ミッド)」、「SKY LO(スカイ ロー)」のミッドソールに採用したほか、通販会社のアイフォーレと共同開発した「デサント」ブランドのウォーキングシューズ「ジョイトップウォーク」のミッドソールにも採用。さらに衣料品会社の青山商事が、昨年12月から靴底部分にターボフレックスⅡを採用した紳士革靴を、店舗の「ザ・スーツカンパニー」とオンラインショップで販売している。
イノアックでは、今後のシューズ用途開発について「他の高反発素材と比べて、ターボフレックスⅡは機能的にみてもトップの素材と自負している。衝撃吸収力や反発力が非常に高いことから、俊敏性・跳躍力・疲れにくいといった効果が期待できる。この特徴を活かし、今後もスポーツシューズからウォーキングシューズ、さらに革靴全般にも適した素材として、広くアピールしていく」(イノアックコーポレーショングローバル技術本部技術管理部・西村浩之主幹)としている。
またシューズ用途だけでなく「自動車、オートバイ、自転車のショックアブソーバーや産業機械、電気製品に使用される緩衝材など、工業用途としての展開も期待できる」(同高機能材料事業本部化成品事業部・間部利一事業企画室長)という。
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