東洋ゴム工業16年12月期第2四半期
円高の影響なければ増収増益に
タイヤ 2016-08-22
東洋ゴム工業が8月10日に発表した16年12月期第2四半期(1―6月)業績は、原材料安などのプラス要因はあったものの為替円高などが影響し、売上高、営業利益、経常利益とも前年同期を下回った。「為替の影響で売上高は127億円減少、営業利益は35億円減少した。この影響がなければ増収増益を達成できた」(清水隆史社長)。四半期純利益は免震ゴム関連で約169億円の特別損失を計上したが、前期の赤字から黒字に転じた。
営業利益については、原材料安により69億円プラス(天然ゴム22億円、石化品40億円、その他原材料7億円)となったが、為替円高で35億円、販売要因で38億円マイナスとなり、トータルでは29億円の減益となった。
通期で見ると、原材料安で146億円のプラスを見込むものの、為替で105億円、販売要因で112億円のマイナスを見込んでおり、トータルでは113億円の減益になる見通し。
事業別業績は、タイヤ事業は減収減益。新車用タイヤは国内市場で同社品装着車種の販売が好調に推移したこと、海外市場では新規ビジネスを獲得したことで売上高が増加した。国内市販用は、販売量は増加したが、売価の低下で売上高は横ばい。海外市販用は、北米・欧州とも販売が増加したが、為替円高の影響で売上高は減少した。
ダイバーテック事業も減収減益。自動車用防振ゴム、自動車用シートクッションは、自動車メーカーの操業停止の影響はあったが、前年同期並みの売上高を確保。断熱資材や防水資材は需要低迷や販売不振で減少した。
地域別では、日本は売上高が676億1200万円で前年同期比3.1%減、営業利益が164億5000万円で同38.9%減。北米は売上高が861億8200万円で同7.3%減、営業利益が46億4500万円で同17.0%増加した。
その他地域は「欧州市場、特にロシアでの販売が好調だった。また増強が完了したマレーシア工場が順調に稼働したことで増収増益となった」(清水社長)。
通期業績予想を下方修正
同社は免震ゴム問題関連の特別損失計上を理由に、通期業績予想を下方修正した。
■通期業績予想
売上高=3950億円(前回予想4050億円、増減率2.5%減)▽営業利益=520億円(前回予想と変わらず)▽経常利益=455億円(同)▽当期純利益=180億円(同240億円、同25.0%減)
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