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2023年12月期業績

ブリヂストン、販売MIX改善、鉱山用タイヤ拡販等で増収

決算 2024-02-19

説明する石橋秀一取締役 代表執行役 Global CEO


 ブリヂストンの2023年12月期業績(IFRS)は、売上収益が4兆3,138億円で前期比5.0%増、調整後営業利益が4,806億200万円で同0.4%減、純利益(非継続事業を含む)が3,313億500万円で同10.3%増だった。

 「米欧の市販用トラック・バス(TB)用タイヤの需要大幅減による販売減が大きなネガティブ要因となったが、市販用乗用車用プレミアムタイヤの拡販による販売MIX改善、鉱山用超大型/大型タイヤの拡販を達成し、為替の追い風もあり、前年比で増収を確保した。一方の調整後営業利益は原材料価格、エネルギー費、労務費上昇などによる製造原価へのマイナス影響に加え、TBを中心とした米欧の販売減および日本、アジアからの輸出減を反映した操業度悪化による加工費が増加、これを売値・販売MIXの改善、徹底した経費マネジメント、生産現場の生産性改善でカバーしたが、アルゼンチンの超インフレ会計が約100億円の減益インパクトとなり、前期比で減益。この影響を除けば前期比増益だった」(石橋秀一取締役 代表執行役 Global CEO)

 調整後営業利益段階の増減要因は、増益要因が売値で1,350億円、為替で620億円、MIXで140億円、アルゼンチン子会社で140億円、営業費で60億円、減益要因が加工費で800億円、数量で750億円、その他で640億円、超インフレ会計で100億円、原材料で40億円、差し引き20億円の減益。

 セグメント別では、日本は売上収益が1兆2,424億円で同7%増、調整後営業利益が2,065億円で同37%増。中国・アジア・大洋州は売上収益が4,611億円で同1%増、調整後営業利益が416億円で同4%増。米州は売上収益が2兆800億円で同5%増、調整後営業利益が2,120億円で同16%減。欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカは売上収益が9,085億円で同4%増、調整後営業利益が251億円で同62%減。

 「日本は市販用タイヤビジネスにおいて、プレミアムフォーカスを徹底したことに加え、鉱山用タイヤの大幅販売増、堅調な海外向け輸出を反映し全体で増収増益だった。米州、欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカは増収となったものの、変化に対応する力が不足しており、特にTBタイヤにおける大幅な販売本数減とそれに関連した生産調整が発生したことによる加工費悪化の影響が大きく減益となった。特に欧州は経営、事業基盤の弱さが表面化している」(同)。

 財別にみると、乗用車用/小型トラック用は売上収益が2兆3,754億円で同8%増、調整後営業利益が2,723億円で同4%増。トラック・バス用は売上収益が1兆286億円で同4%減、調整後営業利益が582億円で同39%減。鉱山・建設車両用/航空機用/農業機械用/二輪車用を含むスペシャリティーズは売上収益が6,114億円で同9%増、調整後営業利益が1,370億円で同17%増、化工品・多角化事業は売上収益が2,984億円で同7%増、調整後営業利益が132億円で同39%増だった。

 2024年12月期業績予想は売上収益が4兆4,300億円で前期比2.7%増、調整後営業利益が5,300億円で同10.3%増、純利益が3,590億円で同8.4%増。

 調整後営業利益段階の増減要因は、増益要因が数量で640億円、その他で494億円、MIXで330億円、売値で290億円、減益要因が営業費で880億円、為替で150億円、原材料で100億円、加工費で70億円、アルゼンチン子会社で60億円、差し引き494億円の増益を見込む。

 「変化に対応できる強いブリヂストンに戻すことを最優先に、グローバルでのビジネス体質強化、再編の第2ステージと再構築、価値創造へよりフォーカスし新たなプレミアムの創造――の3点にフォーカスする。タイヤ需要見込みを含め、事業環境は上期は厳しい状況が続き、下期に緩やかな回復を見込んでいる。

 2024年業績見込みは、プレミアムタイヤの拡売、シェアアップをベースに増収を計画。調整後営業利益については、販売MIXアップとビジネスコストダウンに取り組み、稼ぐ力の強化を徹底することで、前年比110%の5,300億円レベル、利益率で12%レベルと、2021年のレベルに戻す」(同)

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