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2023年12月期第2四半期業績

ブリヂストン、上期の売上収益で初の2兆円超

決算 2023-08-10

説明する石橋秀一Global CEO


 ブリヂストンの2023年12月期第2四半期(1~6月)業績(IFRS)は、売上収益が2兆1,017億600万円で前年同期比11.4%増、調整後営業利益が2,383億200万円で同15.3%増、純利益(非継続事業を含む)が1,826億4,300万円で同96.5%増だった。売上収益は上期として初の2兆円超。「上期は為替の追い風もあり、対前年で増収増益。乗用車用プレミアムタイヤ、鉱山用タイヤの拡売に加え、原材料価格やインフレによるエネルギー費、労務費などのアップを売値、販売MIXの改善でカバーした」(石橋秀一取締役 代表執行役 Global CEO)。

 調整後営業利益段階の増減要因は、増益要因が売値で1,530億円、為替で470億円、MIXで120億円、減益要因が加工費で470億円、原材料で460億円、数量で400億円、その他で223億円、南米通貨で210億円、営業費で40億円、差し引き317億円の増益。

 セグメント別では、日本は売上収益が6,076億円で同14%増、調整後営業利益が891億円で同62%増。米州は売上収益が1兆131億円で同14%増、調整後営業利益が1,187億円で同6%増。欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカは売上収益が4,508億円で同7%増、調整後営業利益が150億円で同62%減。中国・アジア・大洋州は売上収益が2,300億円で同7%増、調整後営業利益が173億円で同3%減。「日本は鉱山用タイヤの販売増、一般タイヤの輸出採算の改善に加え、冬タイヤの値上げ前の駆け込み需要に伴う販売増が寄与した」(ブリヂストン)。

 財別にみると、乗用車用/小型トラック用は売上収益が1兆1,355億円で同15%増、調整後営業利益が1,182億円で同10%増。トラック・バス用は売上収益が5,082億円で同2%増、調整後営業利益が474億円で同16%増。鉱山・建設車両用/航空機用/農業機械用/二輪車用を含むスペシャリティーズは売上収益が3,088億円で同17%増、調整後営業利益が670億円で同26%増だった。「トラック・バス用タイヤは米州、日本等でのリトレッドタイヤの販売増、収益性改善が進んだ結果、増収増益に加え利益率も改善した。スペシャリティーズは、収益性の高い鉱山用タイヤの販売好調や為替円安の追い風もあり、増収増益となり利益率も改善した」(同)。

 通期業績は当初予想を据え置いた。「2月の計画対比では市販用タイヤの販売減、新車用タイヤの販売増により、市販用と新車用の販売MIXは収益に対し悪化方向だ。戦略的価格マネジメントの徹底、市販用における販売量と価格のバランスの最適化、徹底した経費マネジメント、コスト改善で環境悪化影響を最小化していく。年間の為替前提が計画対比で円安傾向であることも織り込み、通期で業績確保を見込む。

 事業環境は当初想定以上に厳しい見通しだが、通期でもプレミアム販売量アップ、価格アップ、販売MIXアップのバランス最適化を常に志向するスタンスは変えず、業績確保に向け『実行と結果に拘る』マネジメントを継続していく」(石橋Global CEO)。

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